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【実例】クリスマスローズ愛好家の庭Part3|季節ごとに様々な植物が顔を出す&雑木の足元で咲くクリスマスローズを楽しんで

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園芸ガイド編集部

クリスマスローズの愛好家の庭を紹介する第3回。どの季節でも何かしら花が咲いている庭は、あこがれですよね。そんな庭を実現している北島るみ子さんは、植物の望むように手を添える庭づくりが目標です。自然な雰囲気の雑木の庭の足元で咲く、可憐なクリスマスローズにうっとりする、小松澤充さんの庭。おふたりの庭を見せていただきましょう。

【実例】クリスマスローズ愛好家の庭Part3|季節ごとに様々な植物が顔を出す&雑木の足元で咲くクリスマスローズを楽しんで

繊細な印象の原種クリスマスローズ、デュメトルム(左)と、珍しいサーモンピンクの八重咲きは鉢植えで目立つところに飾っています。

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【実例】こぼれダネから開花するクリスマスローズが庭にある楽しみ

北島るみ子さん(東京青)

【ガーデンデータ】
庭の広さ:約140㎡
庭年齢:17年
クリスマスローズの株数:約80株

どんな季節も何かしら花が咲いている庭

17年前、200個の鉢植えといっしょに新居へ越してきた北島さん。ご近所からは、園芸店ができるのかと思われたそうです。造成地につきもののガラを拾い出しながら、大量の腐葉土や牛ふんなどを入れて、庭づくりが始まりました。

もともと野山の花が好きだったこともあり、1990年代後半に、つるバラや原種系のバラを使った庭で知られる故・村田晴夫さんのバラ教室に学びました。

「小ぶりで香りもよく、ほかの花と合わせやすい原種系やオールドローズの存在を知って、夢中になりました。けれど、バラだけではなくて、季節ごとにいろいろな植物があらわれる庭を楽しんでいます」

家の東側はバラのアーチをくぐる敷石の通路。バラの足元にある満開のクリスマスローズはやがて葉を茂らせ、夏はバラの株元の地温上昇を防ぎます。

自然交配で咲いた花は、「わが家オリジナルのクリスマスローズとして楽しんでいます」。

クリスマスローズの有茎種フェチダス「ゴールドブリオン」。草丈の高い、明るい花色の品種。

毎冬、農家から届く馬ふんを敷き詰めた庭で、早春にはクリスマスローズが群れ咲きます。

「最初は高価な品種を集めましたけれど、今は丈夫でたくさん咲いてくれればうれしいです」

植物の望むように手を添える庭づくり

シックな花色のクリスマスローズが多い早春の庭に、「寒いうちはパッと心浮き立つ黄色もよいですね」と、クロッカスやスイセンなどの球根植物をアクセントに。

この後、原種系チューリップも多彩に咲きだします。愛犬のためにバラの消毒をやめてから、野鳥がよく来るようになったそう。

「木々が葉を落として見晴らしのよい季節は、鳥の姿を眺めるのも庭の楽しみです。鳥が食べてくれるからか、ケムシもほとんど見ません」

植物の望むように手を添える庭づくりを目標にしています。

つるバラの足元を飾るのは、根があまり広がらない一年草のビオラや球根のヒヤシンス、スイセンやクロッカス、そしてクリスマスローズも。

こぼれダネから発芽したものは、幼苗を鉢上げして育苗。自然交配して見たこともないような花が咲いたときは「感動そのものです」。

「苗を買ってきて植えるだけでは、似たような庭になりがちです。自然交配したクリスマスローズのこぼれダネが育ち、年月をかけて咲く姿をめでる。そういう楽しみ方もできる。ここにしかない庭をつくっていきたいと思います」

花色と花期がクリスマスローズにぴったりのオダマキ‘チョコレートソルジャー’。カレックスとの茶系の組み合わせ。

【実例】 有名なナーセリーの名花もさりげなく庭植えに

小松澤 充さん(茨城県)

【ガーデンデータ】
庭の広さ:約80㎡
庭年齢:25年
クリスマスローズの株数:約400株

雑木の足元で咲く可憐な早春の花々

「自然な雰囲気の雑木の庭が好みです」という小松澤さんの庭は、3月初旬から4月中旬に輝く季節を迎えます。クロモジやアオダモ、ヤマモミジなどきれいな株立ちの雑木が数多く植えられ、まるで静かな林の中にいるようです。

その中の小道を歩くと、木々の足元にクリスマスローズ、スイセンやアネモネなど早春の球根類が自生地のようにかわいらしく群生していました。

なかでも3月の主役はクリスマスローズです。400株を超す花が、庭にはつらつとした彩りを与えています。

芽吹きを待つ雑木の足元でうつむきぎみに愛らしく咲く地植えのクリスマスローズ。

小松澤さんの育てるクリスマスローズを象徴するような形の整った花。「プチドール」のグレープ色のダブル。

なかでも3月の主役はクリスマスローズです。400株を超す花が、庭にはつらつとした彩りを与えています。

クリスマスローズを育て始めたのは20年ほど前から。たまたま出かけた大森プランツの第1回クリスマスローズ展示会で、堀切園の樋口規夫さんの花に出合い、鮮やかな花色、整った花形に目を奪われ、以来すっかりこの花にはまってしまったそうです。

門を入ると最初に出迎えてくれるのは、横山園芸が作出した小輪のホワイトダブルの花

愛情を込めて育てた秀逸なコレクション

お宅の玄関前にも、鉢植えのクリスマスローズが整然と並べられています。全国の人気ナーセリーの名花も、プロさながらのクオリティーで咲いていて、まるで展示会のよう。いかに熱心に研究をし、愛情をこめて育てているかがうかがい知れます。

平咲きでかわいらしい表情がよく見えるセミダブルは、堀切園の花。

玄関前の棚の上には、有名ナーセリーの名花が整然と並べられています。

趣のある雑木の株元で咲くクリスマスローズも、白、イエロー、ピンク、パープル など色とりどりながら、バランスよく配置されています。なかには希少なお宝株も植えられており、なんともぜいたくな景色。

植物全般の知識をおもちの小松澤さんですが、クリスマスローズに関しては、「庭植えで美しい株姿で咲く品種ももっと出てくるといいですね」という言葉が印象的でした。

りっぱな大株でみごとな花姿のクリスマスローズ。花色はもちろん、葉色にもこだわって地植えされています。

※この記事は『クリスマスローズの咲く庭づくり』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

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