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【韓国ドラマあるある】しっかり者のヒロインが住む「屋根部屋」の真実

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マチュアリスト編集部

韓国ドラマが好きな人で、「一度は屋根部屋に住んでみたい!」と思ったことがある人は少なくないのでは? 部屋は狭くても、屋上のスペースが案外広くて、のびのびとしたイメージの屋根部屋ライフ。数々のドラマが繰り広げられた「屋根部屋」。その実際を、ソウル在住のライター鈴木ちひろさんに伺いました。想像以上に過酷なようです。

屋根部屋の住み心地は

韓国ドラマに出てくるいろいろな住まいの中で印象的なのは、屋上に立っている家ではないでしょうか。低層ビルの屋上に、あとから建て増ししたように見える、あの「屋根部屋」です。

「ドラマでは何かと美化されて描かれているのが屋上のある住居、屋根部屋ですね。屋上でラーメンを食べたり、ギターで歌を歌ったり、植物をたくさん育てたり、にんにくの皮をむく内職をしたり……。貧しいながらも、こんな楽しい暮らしがあったのかと目を輝かせる鉄板のシチュエーションです」と鈴木さん。

「しかし現実には、屋根部屋は住み心地が悪いことで有名なんです。ドラマでは屋上で焼肉をしたり、星がきらめく夜空をながめたり、ロマンチックに見えますが、実際のところ、夏は暑くて冬は極寒!」

春は、最近の深刻な悩みである「ミセモンジ(PM2・5)」がひどくて洗濯物も外に干せないと、環境被害をもろに受けているそうです。

寒波が来る年は、漢江だけでなく海辺まで凍ることもあるそうです。氷点下の世界で、屋根部屋がどれだけ寒いことか!

また、屋根部屋は建築法を無視して建てられた物件が多いのも事実。あこがれだけでは住むのは難しいかもしれませんね。

現実の住まいとしてはサバイバル要素の多い屋根部屋ですが、山あり谷ありのドラマチックなストーリー展開を後押ししてくれます。

屋上で花を育ててみたい……

屋根部屋が舞台になっているドラマというと、『屋根部屋のネコ』『屋根部屋のプリンス』『シークレットガーデン』『ショッピング王ルイ』『主君の太陽』『野獣の美女コンシム』……、いずれも、屋根部屋に住んでいるのは、裕福ではないけれどしっかり者の女性でしたね。

ちなみに、対するお相手の男性は、財閥の御曹司だったり、ダメ男だったり……。

でも、『スタートアップ:夢の扉』はちょっと違って、屋根部屋を事務所として使っていました。屋根部屋から快進撃をする彼らの様子は、屋根部屋ファンからみると、新鮮な展開だったかもしれません。

屋根部屋から南山タワーが見えるかな。

財閥の豪邸が桁違い

屋根部屋が目立つ一方で、「ここは美術館の中では?」「この庭園はいったい?」などと驚いてしまうほど、桁違いに豪華な邸宅に主人公が住んでいるというシーンもよくあります。

『シークレットガーデン』のガラス張りのキム・ジュウォンの自宅。『愛の不時着』のユン家の実家。少し古いですが『美しき日々』の赤いレンガの壁に囲まれたミンチョルの邸宅も有名になりました。韓国ドラマの必須キーワード・財閥の住まいという設定です。

「日本にいると財閥がらみのニュースをよく見るかもしれませんが、韓国で暮らしていても財閥一族に会うことはまずありません」と鈴木さん。

財閥の存在は、ドラマの中の話のようですね。財閥の御曹司というキャラクターは、ドラマを盛り上げるための必須アイテムなのでしょう。

「ただ、ひとつの企業がさまざまなジャンルで手広く事業をしているのを見ると、ああ、財閥国家なんだな、と実感することもあります。財閥の力が強いので、『梨泰院クラス』のような復讐劇が注目されるということもあるかもしれません」

夢のようなお城に住んでいる財閥の御曹司と、屋根部屋に住むしっかり者女性の胸キュンのラブストーリー。ベタなシチュエーションとわかっていても、なぜか目が離せません。

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※この記事は『「不時着」しても終わらない』(主婦の友社)の巻末「韓国ドラマあるあるキーワード集」の内容をWeb掲載のため再編集しています。

監修者

ライター

鈴木ちひろ

日本の出版社で編集者を務めたのち、韓国人の夫と出会い2013年から韓国での暮らしを始める。日本の雑誌などに韓国のショップやライフスタイルを中心に取材・執筆。韓国人俳優のインタビューなども行う。著書に『歩いてまわる小さなソウル』(大和書房)、『行った気になれる! 妄想 韓国ドラマ旅』(主婦の友社)がある。2人の男の子のママ。韓国在住。

日本の出版社で編集者を務めたのち、韓国人の夫と出会い2013年から韓国での暮らしを始める。日本の雑誌などに韓国のショップやライフスタイルを中心に取材・執筆。韓国人俳優のインタビューなども行う。著書に『歩いてまわる小さなソウル』(大和書房)、『行った気になれる! 妄想 韓国ドラマ旅』(主婦の友社)がある。2人の男の子のママ。韓国在住。

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