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「猫は恩を3日で忘れる」はウソだと思う! 世話をしてくれた青年のことを、9年経った今でも想い続ける【猫の実話】

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マチュアリスト編集部

あれから7年。
落ち葉に埋もれて震えていた小さな子猫は、立派な体格の男の子になりました。
次男は、大学卒業後にひとり暮らしを始めました。家を出て行くとき、「独立はしたいけど、向こうには猫がいないんだよな〜」とブツブツ言っていました。

子猫のころに次男が献身的にお世話をしたおかげか、今でも覚馬の爪切りは次男しかで きないんです。私や夫がやろうとすると暴れてしまったり、ときには指をパクッと噛んで きたり......。
だから爪が伸びてくると、「覚馬の爪を切ってほしいんだけど」と次男に連絡します。
次男は「しかたないなあ、もう」と口ではおっくうそうなふりをしつつも、いそいそと帰ってきてはパチンパチンと爪を切っています。
覚馬は、「爪切りはイヤだけど、兄ちゃんがやってくれるならしかたないかぁ」みたいな顔でおとなしくしています。
今でも、次男は覚馬にとって特別な相手のようです。

苦手な猫をなりゆきで飼うことになった夫も、すっかり覚馬にメロメロ。今では遊び友だちのような関係になりました。覚馬は物陰に隠れていて、通りかかった夫に飛びかかっておどかすのが大好き。何度もやられているのに、毎回新鮮なリアクションを返してくれる夫相手の遊びが楽しいようです。

私の場合は、飛びかかられても「あら、来たの?」ですませてしまうので、覚馬にはやりがいがないようです。ほとんどターゲットにされません。

新型コロナウイルスが広がってからは、我が家でも在宅勤務が始まったり、外出を自粛したり。夫婦だけだと会話もなくなってきますよね。でも覚馬のことなら、いくらでも話せるんです。夫と2人でずっと家にいてもイライラせずに過ごせるのは、覚馬のおかげです。

それに、覚馬はとっても頼れるんです。いつもはマイペースで、ちょっと噛みグセもあって、家でいちばんいばっていますが、私が疲れているときは、静かにそばにいてくれます。私の顔を見つめて、まるで話を聞いてくれるよう。本当に心があたたかくなりま す。
覚馬は私たちみんなの大切な灯りなんです。

あの日、私は次男の言葉を受けて、普段は使わない道を通りました。いつもなら気にとめないような落ち葉の動きに、どうしてか引かれました。
そうして覚馬に巡り合ったのです。

この話を、猫を飼う皆さんにすると「猫に呼ばれたんだね」と言ってくれます。
もしそれが事実なら、私はあのとき覚馬に呼ばれて本当によかった!

次男の心を溶かし、我が家にあたたかさをもたらしてくれた灯り。
これからも覚馬との生活を楽しんでいきたいと思います。



※この記事は『猫がいてくれるから』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

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