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81歳の食養料理研究家 オオニシ恭子さんのすすめ。ひとり暮らしは健康第一! その人に合った食材で体を調える「やまと薬膳」を

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ゆうゆう編集部

自分のペースで楽しむ趣味で ひとり時間も充実

奈良に暮らすようになって始めた趣味は三味線。20代の頃に2年ほど習い、ヨーロッパに行ってからも好きに弾いていたが、帰国してから数年後、本格的に稽古を再開した。

「譜面を読んで、指を動かして。頭も指も使うので、脳にもいいんじゃないかしら。先生も呆れるくらい上達が遅くて、自分でも「もうダメかな」と思うこともありますが、何とか脳の活性化に役立てようと思って頑張っています。上達を人と競争しようと思うと嫌になるけれど、好きなことを自分のペースでやればいいと思えば楽しいですから」

部屋の壁にはイエロー、パープル、ブルーの鮮やかな花の絵が。聞けば、ベルギーにいるときオオニシさん自身が描いた絵だという。

「キャンバスは板のパネルの上にスポンジを貼って自分で作ったもの。それを9枚組み合わせた、大きな絵です。私たちひとりひとりは花びらの1枚だけれど、いろんな人が集まることで大きな花を咲かせることができるんじゃないか……そう考えてこの絵を描きました」

奈良のアトリエでの料理教室以外にも、講習やイベントなどで全国を飛び回る。今夏は滋賀県高島市に開園した、しらひげの森「艸楽園(そうらくえん)」という施設で1週間、女性のためのサマーキャンプを開催した。

「日本に戻り、一番元気でいなきゃいけないはずの40代、50代の女性、特に仕事をしている女性に病気が多いことにびっくりしました。ちょっと大げさかもしれませんが、そういう女性たちを何とかしないと、日本にはもう未来がないのではないかと思ったんです。そこで自分の体と向き合い、自分に適した体のケアをするキャンプを行いました。これまで日本では2~3日ほどの短期間での開催でしたが、今年は長年ヨーロッパでやっていた1週間のキャンプを行いました。これからも女性や子ども向けに、四季折々にやっていきたいと思っています」

「床を雑巾がけするときは、ヨガの猫のポーズのように体を伸ばしたり縮めたり。庭を掃くときも腰の動かし方を意識しています」

「三味線の音色が大好き。なかなか上達しませんが、時間があるときは練習しています」。壁に飾られた花の絵はオオニシさんの自作。

心身の健康を保ちながら できることは自分でやる

仕事への情熱とバイタリティを支えるのは、「誰かの役に立ちたい」というまっすぐな思い。

「私はずっと、やまと薬膳の活動を死ぬまでやろうと思ってきました。でも最近は、できればこの教えを後に続く人に引き継いでいきたいと考えています。後継者にどんどん教えていって、私自身はこの考え方、やり方のポイントを記録や文章で残していくことが大事だなと考えるようになりました。そんなふうにして皆さんの役に立つことが、今の私の目標。そのうえで、さらに余力があれば絵も描きたいし、三味線ももっと上手に弾けるようになりたいと思っています」

奈良の地に身をゆだね、体にも心にも丁寧な暮らしをしながら、しっかりと自立して人生を歩むオオニシさん。ひとりの暮らしももうすぐ10年を迎える。

「誰かの世話になったり、人に迷惑をかけたりするような自分にはなりたくない。だからこそ、ひとり暮らしは健康第一です。夫と暮らしていたときは、それはそれで楽しくていい生活でしたが、ひとりになってしまったからには健康で、自分のできる範囲のことをやりながら暮らしていかなければいけませんね。

幸いにも私は大邸宅に住みたいなんて思ったことはないし、今の住まいは適度な広さでお掃除もしやすいところが気に入っています。料理教室には若い方もいらっしゃるし、子育て中の方もけっこういます。若い世代の方々との交流を楽しみながら、これからもやまと薬膳の教えを伝えていけたらいいなと思っています」

女性の不調に寄り添う「やまと薬膳」の教え

呼吸器の不調に「蓮根のすり流し」
<材料>
蓮根、水、梅干し、クコの実、しょうが
<作り方>
1.蓮根をすりおろす。
2.1/2カップの水を沸かし、大さじ山盛り2杯のすった蓮根を入れて火を通す。
3.梅干しの果肉とクコの実数個、すったしょうが少量をのせたら、かき混ぜて食べる。蓮根は呼吸器系のケアに◎。

冷え・婦人病に「根菜の豆乳鍋」
<材料>
かぼちゃ、里いも、蓮根、にんじん、しいたけ、長ねぎなど、昆布のだし、みそ、豆乳、白すりごま、シナモンスティック、しょうが、ゆず、ごま油
<作り方>
1.鍋にごま油大さじ1/2を熱し、切った野菜を並べて焼く。
2.①に昆布のだしとシナモンスティックを入れ、蓋をして煮る。
3.みそとごまを混ぜ、流し込むようにして②に加え、さらに煮る。最後に豆乳としょうが、ゆずを加えたら完成。

毎月、定期で料理教室や食事会を開催 。テーマに合わせた食材&レシピを提案。 自宅でも簡単に実践できる薬膳レシピは大好評。

今年8月、琵琶湖のそばの「艸楽園」で 女性のためのサマーキャンプを開催。 琵琶湖を望むキッチンで食事やお手当を指導。

発酵飲料の作り方もレッスン

オオニシさんが提案する「やまと薬膳」の料理教室では、食の伝統から学び、健康へと導いてくれる食の基本をレクチャー。「発酵飲料」がテーマの日は、腸内環境を整えてくれる「神酒」やミネラル豊富な松葉を使った「松葉サイダー」、お米のヨーグルトなどの作り方を伝授。
☏0744-57-9038
info@yamatoyakuzen.com

※この記事は「ゆうゆう」2022年12月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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