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2023年 お金と正しくつき合う! 50代・60代・70代 安心老後のためにやっておくこと。井戸美枝さんが指南

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ゆうゆう編集部

60歳で退職したあと、40年近くも続く長い老後。「安心して過ごすために、50代以降は5年ごとにやっておくこと・決めることを知って実行していきましょう」と言う井戸美枝さんにお話を伺いました。

体調や環境に合わせて、5年ごとに 「お金の生活改善」をすると、安心です

5年ごとの「お金の生活改善」が安心老後のカギ!

人生100年といわれる時代、退職後の生活は40年近くも続く。

「寿命が長くなった分、綿密な資金プランは欠かせません。50代以降は、その先の暮らしをイメージしながら、先手、先手で対策をとっていくことが大切です」と、ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんはアドバイスする。

特に最近は、突然のコロナ禍に見舞われたり、急激なインフレになったり、世の中はこれまで以上にめまぐるしく変化している。

「50代以降は更年期による体調の変化や、子どもの独立、自分や夫の退職……と家計も家族の状況も大きく変化するとき。5年を区切りに家計見直し、そのときどきの家計や世の中に動きに合わせて、生活を改善していくことをおすすめします」

そこでまず、50代以降、家計に起こりうることをざっくり見通してみよう。

平均的な会社員の場合、50代以降、55歳で役職定年、60歳で定年退職、65歳で年金受給開始、と収入は 3段階で減っていく。

「つまり、50歳を過ぎてそれまでどおりの生活をしていたら、資産はどんどん減っていく、ということ。50代はお金の使い方を見直し、収入があるうちに資産を少しでも増やしたい時期です。そのうえで60代前半将来の年金生活を見すえた生活費ダウンサイジングが必須。そして、60代後半もマイペースで少し働き、資産の目減りを抑えることが70代以降の安心につながります」

資金プランを立てるときは、夫婦の収支をひとつにまとめて話し合うことも大事なポイントだ。

「収入が多い現役時代は『日々の生活費は妻、固定費は夫』などと分担できた家庭でも、65歳以降は、夫婦で年金がいくら、収入がいくらと合計して、出費を考える必要があります。年金受給開始を繰り下げる場合も、夫婦の年金のどれを繰り下げればいいか、話し合いは不可欠。男性より平均寿命が長い女性は、ここで家計全体を把握しておくことが、おひとりさま期への準備にもなります」

生活スタイルを見直せば、 出費はムリなく減らせる

50代ですでに老後を視野に入れ考えている人も、60~70代でまだ資金プランを立てていない人も、今すぐ家計の現状からチェックしてみよう。

「まず、収支を出してみましょう。家計簿をつけていない人は、通帳などを見れば収入や資産額がわかります。支出も、カードの請求書や口座の引き落とし記録で確認が可能。次に、資産から病気などに備える予備費を引いて、残りを100歳までの年数で割ってみてください」

たとえば、今65歳で使えるお金が1500万円なら、年に使える額は約43万円(※)。支出がその額を上回っていたら、出費の見直しが必要だ。

インフレが著しく上昇する今、「節約が苦手」という人に、井戸さんがすすめるのは生活スタイルの見直し。

「たとえば、食品の中で価格上昇が激しいのは加工品や輸入品などで、国産のお米や野菜などは比較的安定しています。これを機に市販のたれなどの加工品を避け、酢や塩などで旬の野菜を調理する食生活に変えてはどうでしょうか。体によく、食費も減って一石二鳥です」

継続して使っている化粧品やサプリメントも高いと感じたら、一度やめてみるとよい。

「3~4カ月過ごしてみて、やっぱり必要なら買う、なくていいと感じたらやめましょう。私もその方法で、長年使っていたビタミンクリームを買わなくなりました。月5000円の出費がなくなれば、年間6万円も支出を減らせます」

何となく続けている支出をひとつずつ点検していけば、効果はさらにアップ。ムダがそぎ落とされて、家計がスリム化される。

※1500万円÷(100歳ー65歳)=42万8571円

※税制などは、2022年10月末現在のものです。



※この記事は「ゆうゆう」2023年1月号(主婦の友社)のの内容をWeb掲載のため再編集しています。

監修者

ファイナンシャル・プランナー

井戸美枝

いど・みえ●井戸美枝事務所代表。ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士として相談業務、講演、執筆活動を行う。『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版』(日経BP)など著書多数。

いど・みえ●井戸美枝事務所代表。ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士として相談業務、講演、執筆活動を行う。『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版』(日経BP)など著書多数。

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