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【女性の覚悟】坂東眞理子さん×早見優さん「50歳からはもう一度自分に投資をしたい」

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ゆうゆう編集部

人生の後半戦をどう生きるべきか。迷える50代女性の心に寄り添い、新しい視点を与えてくれると評判なのが、坂東眞理子さんの著書『女性の覚悟』。「56歳の今、この本に出合えてよかった」と言う早見優さんとともに、女性の生き方や人生を充実させるための心得を語っていただきました。

自分の人生の責任者は自分です

早見 『女性の覚悟』を拝読して、まず最初に「覚悟しなければいけないんだな」という現実に目が覚めました。私としては、子どもを自立させなければいけないと前々から考えてはいたのですが、私の考え方はちょっと厳しすぎるのかなと悩むこともあって……。でも、この本のおかけで自分の考えが肯定されたような気持ちになりました。

坂東 ありがとうございます。日本社会で長く生きている女性たちは、子どもの頃から「和をもって貴しとなす」=調和を重んじて周りに配慮する習慣がついている。だから「自分の人生の責任者は自分だ」という感覚をもちにくいんですよね。だけど、これからの女性には自分の人生のオーナーシップをもつという覚悟が絶対に必要。早見さんが私のメッセージを受け止めてくださって、とても嬉しく思います。

早見 私はハワイで育って、14歳のときに日本に戻ってきてアイドルとしてデビューしました。もともと私は自分が納得しないと、とことん質問するタイプだったんです。でも当時、周りの大人たちからは「素直に『はい!』と言って行動すればいいんだ」と言われました。

坂東 素直にかわいく、ね(笑)。

早見 そうなんです。私には、その「素直に」という言葉がどうしても受け入れられなくて。 素直って何なのか、すごく疑問に思っていました。

坂東  14歳で社会へ出る、それは本当に特別な体験だと思います。

早見  あと、日本に来てびっくりしたのは、周りの大人があまりほめてくれないこと。直接にはほめられず、厳しいことばかり言われました。

坂東  日本って、本当にほめない文化なんですよ。たとえば子どもがテストで90点を取ってきたら、アメリカの母親は「すごい、 90点も取ったのね!」とほめるけれど、日本の母親は「どうして100点じゃなかったの? どこを間違ったの?」。

早見  同じ点数を取っても反応がまったく違うんですね。

坂東  日本にはあるべき標準の手本があり、一生懸命努力してそれをキャッチアップし、バランスのとれた人間になることが理想とされています。一方欧米では、何か特別に優れた ところがあれば、他は人よりちょっと劣っていたり不得意なことがあったりしてもいい、それよりも「自分の強みや魅力をさらに磨いたほうがいい」という考え方が浸透している感じですよね。

坂東眞理子
ばんどう・まりこ●1946年富山県生まれ。東京大学卒業後、総理府(現内閣府)入省。埼玉県副知事、オーストラリア・ブリスベン総領事、内閣府初代男女共同参画局長などを務め、退官。現在は、昭和女子大学理事長・総長。著書に『女性の品格』『幸せな人生のつくり方』など著書多数。

早見 優
はやみ・ゆう●1966年生まれ。上智大学比較文化学部卒業。3歳から14歳までグアム、ハワイで育つ。82年「急いで! 初恋」で歌手デビュー。国際感覚を生かし、テレビや舞台、絵本の翻訳、親子で 英語に親しめるCDのプロデュースなど、多方面で活躍中。96年に結婚、2女の母。

謙虚になるあまり自己評価を下げないで

早見 逆に日本のいいところは、英語で言うと「humbleness」、謙虚さだと思います。私が育ったアメリカには今、それがなくなってしまっているような気がして。

坂東 アメリカにもいいところも悪いところもありますね。自己主張が強すぎることによっていろいろな摩擦も起こっていると思いますし、もっと協力していけばいいのにとおっ しゃりたい気持ちは私も同感です。でも、「humble(謙虚)」って本当はとてもいいことなのに、それが日本人の自己評価を低くしていることは問題だと思います。

早見 どういうことですか?

坂東 日本では特に女性の場合、社会的なマナーとして謙虚に振る舞うよう求められがちです。そうして謙虚に振る舞っているうちに、それが自分に投影されて、「私なんてたいしたことない」 「私は何もできないんです」というふうに自己評価が下 がってしまう。特に50代以降の女性には、自分に自信をもてなくなっている人が多いと感じます。

早見 私の娘は今、アメリカの大学に留学しているのですが、今まで仲よくしていたママ友の中には、子どもが巣立って心に穴が開いてしまったという人もいます。そしてもう一度仕事をしたいけれど、今からまたキャリアを積むのも……」と。

坂東 「私には今さら何もできないだろう」 って。

早見  そうなんです。でも『女性の覚悟』を読んで、お金を稼ぐだけではなく、社会貢献をするなど、これから先、人生の目標をもつことが大切なんだなと思いました。

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