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【61歳の現役販売員】60歳で勤務先が閉店。その後も仕事を続けられる秘訣とは

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原田実苗

これからの仕事について、不安になったり、これからどうしようと考えること、ありませんか? 今回お話をうかがった古川恵美子さんは、60歳で勤務先が閉店し、「どうしよう……。この年齢で職探し……」と困った状態になったにもかかわらず、すぐに別の職場で働いています。スムーズな転職ができた秘訣をうかがってみましょう。

自分が経験したことは、なんでも今につながっている

60歳をすぎても仕事をするかどうかを考えるとき、好きだから続けたいと思えたらとてもすてきなことです。
「アパレル販売員の仕事は天職のようなもの」。そんなふうに考えて仕事を続けている方がいると聞き、会いに行ってみました。
今回は、人とのつながりを大切にしながら、61歳の今も大好きな仕事を続けている古川恵美子さんのお話です。

販売員 古川恵美子さん(61歳)
会社員の夫(59歳)と息子(22歳)の3人暮らし。
やさしくおっとりしていて、話をすると心地よくなるような方。洋服が大好きで、今もおしゃれを楽しんでいます。

60歳で勤務先のショップが閉店

60歳になり、これからも仕事を頑張っていこうと思っていた古川さんですが、半年前、これからの人生設計を考え直さなくてはいけないような出来事がありました。勤務先が閉店することになり、職を失ってしまったのです。

「65歳まではこのまま同じお店で働き続けようと思っていました。閉店の噂はあったのですが、まだ先のことだろうと思っていたんです。ある日突然、1カ月後に閉店と聞き、どうしたらいいのか困ってしまいました。もう60歳でしたし、この歳で自宅から近くて、夜のシフトに入らなくていい、土日は休みなどという条件のいい仕事を探してもなかなかありません。まずはハローワークに行かなければと、これからしなくてはいけないことを考えていました」

そんなとき、同じショッピングセンター内にある別のアパレルショップから声がかかりました。古川さんの販売員としての勤務の様子を見ていて、ぜひ働いてほしいと誘ってくれたのです。

「休憩時間に顔見知りになった方だったんですが、うちで働かないかと言ってくださって。場所も同じ、勤務時間も朝のシフトでという、願ってもない条件だったので、すぐにそちらで働くことに決めました。出会いや縁に感謝ですね」

回り道をしても、無駄なことはひとつもない

古川さんは、さまざまな仕事を経験し、30歳をすぎてからようやく販売の仕事にめぐり合ったといいます。
専門学校を卒業し、タイムキーパーになるつもりでテレビの制作会社で働いて、今でいうADのような仕事を担当したのが最初でした。時間的に不規則で、夜中を過ぎても帰れない毎日が続いたそうです。

「とてもハードでした。体もキツかったのですが、それ以上に私には合っていないという気持ちが大きくなり、2年ほどで退職することにしました。
ファッションにすごく興味があり、そっちのほうの仕事ができればと思ったんです。とはいえ、知識や技術があるわけでもないので、きちんと勉強したくて学校に行くことにしました。テレビ関係の専門学校の授業料は親に出してもらっていたので、今回は自分で出すことにして、印刷会社で働きながらファッション系の夜間学校に入りました。卒業するまで2年間、仕事を終えてから学校に行き、課題の制作もあって、寝る暇もないときもありました。本当に若いからできたことです」

ファッション系の学校の文化祭。右が古川さん。「夜間部でしたので、みんな仕事をしながらのファッションショーの運営で、とても大変だったのを覚えています」

ファッション系の学校を卒業し、パタンナーとして働いていた26歳のとき。

卒業後は、アパレル会社のパタンナーになることができましたが、自分のしたいことはこれでもないと、ファッション関係の企画とウエディングドレスのレンタル会社に転職。32歳で結婚するころにその会社が解散したので、デパートのファッションブランドで販売員に。

「当時は洋服をデパートで買う時代。バブルで高価な洋服がよく売れました。小さな店舗で1億円を売り上げた年もあります。それで販売の仕事がおもしろいと思うようになったのかもしれません。
お客様と直接お話をしながらの仕事は楽しくて、その後も自宅近くにアパレル販売の仕事を見つけて、パートとして働き始めました。
自分には販売の仕事が合っているとわかるまで、回り道をしましたが、無駄だったと思うようなことはひとつもありません。それぞれでいい経験をしたと思っています。ひとつひとつのことが、今の仕事や生活に生かされていると思うんです」

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