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鴻上尚史さんを変えた3つの言葉とは?「時代は協調性から多様性へ。言葉を尽くして伝えていくことが大事」

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ゆうゆう編集部

「言葉」は、時に生きる希望となり、進むべき道を照らし、心の支えになってくれます。だからこそ私たちは「言葉」を大切に、心して使います。作家で演出家の鴻上尚史さんが大切にしている3つの「言葉」との出会いについてお聞きしました。

具体的に考えて前に踏み出す

鴻上尚史さんの著書『鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』が人気を博している。相談者の考えに思いを寄せ、心の鎮め方から、生き抜くための戦術まで、 鴻上さんの提案する現実的な解決策は、質問者だけでなく読者の心にも風穴を開けてくれる。

その鴻上さんが真っ先に挙げた言葉が「『悩むこと』と『考えること』を別にする」だった。大学時代、サークルをプロの劇団に立ち上げようとして、鴻上さんが不安でいっぱいだったときに先輩が発した言葉だ。

〝これからどうするの?”
〝考えているんですけど。うまくいくのかわかんないし、前例もないし”
〝おまえ、考えていないじゃん。悩んでるだけじゃん、考えることと悩むことは違うんだよ”

「目から鱗が百枚くらい落ちて」
いくらぼんやり悩んでいても、何も残らない。でも具体的に考えると、とりあえずこれをやってみようと、対策が浮かぶことに気がついた。

「以来、今、自分は悩んでいるんだろうか、考えているんだろうかと常に意識するようになりました。前に進むには、具体的に考えないと。今も折に触れ、自問しています」

「『悩むこと』と『考えること』を別にする」

漠然と悩んでも解決の道は見つからず、時間ばかりが過ぎていく。悩むという行為は抽象的だからだ。具体的に何が問題なのかと考えることで、初めて前に進むことができる。「今、自分は悩んでいるんだろうか、考えているんだろうか」と意識したい。

誰もがどこかで失敗する。大切なのはリカバーする力

「よく現場で口にするのは、人生、ゼロか100じゃないだろ、かな」

芝居は生もの。冒頭で役者がとちってしまうことがある。そのショックでもうダメだと落ち込んで、あとの演技を投げてしまう人もいる。

「しょっぱなで間違っても、気を取り直して巻き返せば、88点くらいにはなるかもしれない。とちりまくっても、後半頑張れば、何とか52点くらいで終わるかもしれない。ゼロと100じゃなく、その間もあるんですよ。芝居だけじゃなく、どんなものにも、人生にも」

ゼロよりは、52点で終わったほうがはるかにいいではないか。

「なかには100点じゃないと納得しない人もいるけど、80点でも負けだと思うような生き方は苦しいよね。誰もが失敗する。失敗したところからどうリカバーするか。大切なのは、そっちじゃないですか」

「人生は『0か100』じゃない」

失敗すると、もうダメだと思い込んでしまう人が多い。自分を責めて落ち込んで、ますますゼロに近づいていく人も。けれど100じゃなくても意味はある。50でもゼロよりははるかにいい。何かよくないことが起きても、もう一度リカバーしようとする力をつけていこう。

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