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田幸和歌子の「今日も朝ドラ!」

朝ドラ「舞いあがれ!」貴司が舞の相手役だと確信したのは、窓越しから柏木(目黒蓮)が貴司に彼氏として挨拶したときだった

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田幸和歌子

そして、新聞記者・御園(山口紗弥加)のアドバイスで、IWAKURAのブログを書き始め、「伝える」力を手に入れた舞が自分の思いを貴司に伝え、貴司もまた舞に思いを伝える。

これまで折に触れ、舞を励まして来た貴司の短歌が回想シーンで積み重ねられた後、貴司が詠んだのは、舞に対する優しく温かく穏やかな、生涯変わらぬ愛を伝える歌だった。

「目を凝らす 見えない星を見るように 一生かけて君を知りたい」

幼馴染としての舞と貴司の関係性が好きだった人も多いだろう。しかし、その関係性が変わる怖さと必然性、上書きしていく喜びを暗示していたのが、ネジ工場を岩倉家3代にわたり支えてくれていた笠巻(古舘寛治)が引退を考えていると舞に伝えたときの言葉「時の流れは誰にも止められへん」だ。

ちなみに、個人的に貴司が舞の相手役だと確信したのは、窓越しから柏木(目黒蓮)が貴司に彼氏として挨拶し、マウントをとったときだった。なぜなら久しぶりの登場で、窓から顔を出した貴司がいやに艶っぽかったから。

会社員時代にノルマに苦しみ、自らを「干からびた犬」と称した貴司だが、落ちているとき・苦しんでいるときと、充実しているとき・安らいでいるときとで、明らかに湿度が変わる。

航空学校編でドタバタ展開が繰り広げられる中も、貴司が登場するシーンだけ湿度が上がった。自身の心のあり方だけでなく、作品全体の湿度もコントロールする赤楚衛二の芝居の安定感が本作にとっていかに重要かを改めて感じた第20週だった。

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