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実家に戻り、ひとり暮らし。少しずつ心地よい空間へ片づけ中。料理本編集者 62歳の園田マリエさんの暮らし

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ゆうゆう編集部

年を重ねるごとに自分らしくいられるライフスタイルへさっと切り替えていける人は、どこで暮らしても毎日の幸福度が高い! 料理本編集者の園田マリエさんは、まさにそれを体現化している人。ひとり上手な人がやっていることとは? ひとりの日々を豊かに過ごすヒントを教えていただきました。

プロフィール
園田マリエさん
そのだ・まりえ●料理本編集者
1961年福岡県生まれ。編集プロダクションを経て、27歳でフリーの編集者に。家庭料理や作りおきなどさまざまなジャンルの料理本の編集を手がける。味つけ冷凍などを紹介した自著も人気。5年前に断捨離を行い、コンパクトな暮らしを実現。昨年から福岡の実家でひとり暮らし。著書に『料理本編集者マリエのひとり暮らしの台所幸せの台所 毎日ムリなく機嫌よく』(家の光協会)など。

年をとるほど物は少なくシンプルに暮らすのがラク

本当に必要な物、好きな物だけに囲まれ、すっきりとした空間で暮らしたい……。5年前に大がかりな断捨離を決行した園田マリエさん。

「料理本の編集という仕事柄、便利な調理器具や素敵な食器などを見つけると、つい買い揃えたくなって物は増える一方。50代に入ってから、『ひとり暮らしなのに物が多すぎる。住みづらい』と思い始めたのがきっかけでした」

目指すのはコンパクトな暮らし。物を整理する目的で、70平米から45平米のマンションに引っ越した。キッチンは1.5畳ほどしかなく、収納スペースも狭い。鍋は、大・中の打ち出し鍋と鋳物ホーロー鍋の3個のみ、フライパンは1個、まな板は大小2個……と最小限まで物を減らしていった。 

「食器もチェスト2段と天袋に入る分だけ、と量を決めて厳選。同じ要領で洋服なども半分以下に減らしました。結果、あらゆる場所にゆったりと収納することができ、物の出し入れもスムーズに。部屋の中がすっきりし掃除もしやすい。コンパクトな暮らしは想像以上に快適!」 
と満足していた園田さん。ところが昨年末、一軒家に移り住むことに。

「3年前に母が亡くなって以来、誰も住んでいない福岡の実家が気になっていたんです。私も60代。今後のことを考え、元気で動けるうちに生活拠点を移そうと決断しました」

かつて両親、姉と4人で住んでいた家には、膨大な物が残されていた。

「戦前生まれの母は物を捨てられない人だったんですね。姉と私は40年以上前に家を出たのに、私たちの物が幼少の頃からとってある。物置と化した部屋もあって、ドアを開けると、古いギターに壊れたストーブ、扇風機……と使えないゴミの山。思わずドアを閉めました(笑)」

大きな一軒家であっても、園田さんが目指すのは、コンパクトな暮らし。真っ先に片づけにとりかかったのが、キッチンだ。

「鍋やフライパンなど調理道具はすべて処分。基本的に私が東京から持ってきた物だけを置いて、自分が使いやすいように整えました。ただ食器は多すぎて、まだ手つかずです」

現在、園田さんのマイルームは、2階の10畳ほどの部屋。

「ベッドと机を置き、ここで仕事もしています。昔は父の書斎だったので、本棚には父の読んでいた本がいっぱい。これも処分しなければ。家中を一気に片づけるのは無理だから少しずつ断捨離して、居心地のいい住まいへと整理整頓している最中です」

真っ先に片づけにとりかかったキッチン

福岡の実家に移住し、最初に片づけたのがキッチン。「古い鍋やフライパン、サラダ油やマヨネーズなどの調味料も大量に残っていて、すべて処分。私が東京で使っていた物だけを置いています」。広いキッチンだが、今後も物は増やさず、シンプルな暮らしをキープする。

お鍋は3つあれば十分!

大(直径18cm)と中(16cm)の打ち出し鍋。「大は麺をゆでるときに、中はみそ汁など汁物を作るときに使います」。煮物、煮込み料理はストウブ鍋で。「ご飯もこれで炊くので、炊飯器は処分しました」

肉や野菜のストック術でひとりの食事を豊かに

そんな中、新生活の楽しみは「やはり『食』です」と笑みがこぼれる。「福岡は野菜が新鮮でとってもおいしい!

空気や水がきれいだからでしょうね。肉も臭みがない。海が近いから魚も新鮮。それでいて、何でも安いんです。鍋用のふぐが1パック山盛りで1000円。今一番の楽しみはスーパーに行くことかな(笑)。

広い店内を巡ると、いろんな食材に出合い、ワクワクします。スーパーの中にから揚げ屋さんが入っていて、軟骨や鶏皮の揚げた物も売っているんです。買ってきて昼食に食べたり、歯ごたえのいい軟骨を野菜炒めに入れたりして活用しています」

園田さんといえば、ひとり暮らしでも豊かな食生活を送るための仕込み法、「味つけ冷凍」で知られる。

「お肉も野菜もまとめて買ったほうがお得。豚肉や鶏肉を小分けして味つけ冷凍しています。野菜も使い切れない分は、洗って水けをきり、適当な大きさに切って密閉容器などに保存。こうしたストック食材があると、サラダや麺類、炒飯、いろんな料理がすぐ作れて便利です」
 
おうちご飯だけでなく、地元のお店を食べ歩くのも楽しみの一つ。

「ラーメン、うどん、お好み焼きが福岡の三大名物。どのお店に入ってもおいしくて安い。近くに住む姉や、高校時代の友達と一緒におすしを食べに行ったりもしています。福岡に移り住んで2カ月。食に関しては、まだ開拓中。こんなおいしい物があったの!っていろんな発見があり、しばらく楽しめそう」

母が残した食器の数々。まだ手つかずです

キッチンに鎮座する大きな食器棚には、家族4人で暮らした頃の食器がそのまま残っている。「子どもの頃使っていたラーメンどんぶりまであって。ほんと母は物を大事にするというか、捨てられない人だったんだなと思います。こんなに大量にあると断捨離も大変。もう少し暖かくなったら腰を据えて取り組みます」

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