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ソン・ヘギョ&イ・ドヒョンが熱演!『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』をつい一気見してしまう理由

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上村由紀子

ひとつは勿論、ドンウンが18年に渡って心に秘めやっと実行に移した復讐の行方と、彼女の出現により動き始めた加害者たちの運命の末路を確認したいからだ。ドンウンの復讐は彼らの社会的地位の失墜や金銭的なダメージなどといった甘いものでなく「生きている間は永遠に地獄を味あわせる」レベルの最強スタイル。特に、リーダー格のヨンジンに対しては「復讐が終わった時、誰も彼女の周囲に残らないようにする。親も友達も」と強い憎悪と決意を見せる。

もうひとつは登場人物たちの立体的な造形。たとえば、加害者グループ5人の中にも弱者と強者のヒエラルキーが存在する。経済的弱者であるチェ・ヘジョン(チャ・ジュヨン)とソン・ミョンオ(キム・ゴヌ)は他の3人から見下され、馬鹿にされながらも強者とともにいるうま味を享受し、いつか自分ものし上がろうと野望を抱く。また、強者側の筆頭、ヨンジンは大手建設会社社長と結婚し、ニュース番組の気象キャスターにもなったが、母親が新興宗教にのめりこみ、結婚後も親から支配される一面を持つ。さらにヨンジンは家族に対して大きな秘密も抱えている。

シリアスな展開の中、ほっと息を付けるのがカン・ヒョンナムの存在。もとはドンウンが情報を掴もうとゴミを盗んだ小学校理事長宅の家政婦だったが、復讐を手伝うために車の免許を取り、カメラでの隠し撮りを覚え、加害者たちを尾行するヒョンナムがどんどん生気を取り戻し、明るく積極的に行動するさまには勇気をもらえるし、ドンウンと彼女の間で芽生えるシスターフッド的な関係も刺さる。方向はともあれ、人は目的を持ち、他者から必要とされることで笑顔の数が増えるのだとヒョンナムの姿から教えられた。

さて、ドンウンには複数の復讐相手がいるわけだが、ヨンジンと同レベルで許せないのが実の母親。ドンウンにとって最初の加害者ともいえる母親に、彼女はどんな復讐をするのか。

じつはここまで書いたところで我慢できず、パート2も視聴してしまった。ひとことでいうと「パート1は前哨戦に過ぎず、パート2こそ本番」というところ。特に注目してほしいのがパク・ヨンジンの悪役としての凄まじさだ。一切反省も後悔もしないそのあり方は180度回ってちょっと好きになるレベルですらある。また、韓国ドラマにありがちな「張りまくった伏線が回収されないままエンド」も本作には当てはまらない。

ドンウンの復讐に未来はあるのだろうか。私の答えは「イエス」である。最後まで彼女の復讐を見届けてほしい。

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