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【大奥10話】久通(貫地谷しほり)と吉宗(冨永愛)の結びつきに息をのむ。「この国は滅びぬ」は現代に続くメッセージ

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田幸和歌子

江戸時代の男女逆転の世界が描かれる、NHKドラマ10「大奥」。奇想天外なエンターテインメントに、毎週ひきこまれていく人も多いことでしょう。数多くのドラマレビューを執筆するライター田幸和歌子さんに、NHK版「大奥」について語っていただきます。
(ネタバレにご注意ください)

よしながふみ原作漫画×森下佳子脚本により、男女逆転劇の世界を描くNHKドラマ『大奥』シーズン1最終話となる第10話が3月14日に放送された。

言語不明瞭で暗愚と世間に思われていた家重(三浦透子)の「誰かの役に立ちたい」という強い思いを知り、跡継ぎに決めた吉宗(冨永愛)。そこから家重の時代が展開されるのかと思いきや、吉宗が大御所となった後も、老中たちは吉宗に政の判断をあおぐばかりで、不満を抱いた家重は大奥に入り浸るようになってしまう。

そんな折、杉下(風間俊介)の手引きにより、水野を通じて、村瀬(石橋蓮司)の謎の死と同時に紛失した「没日録」が吉宗のもとに届けられる。

杉下は自身の仕事を終えたかのように、突然病に伏せる。杉下に薬を与え、世話をする吉宗の姿を見て「夫婦のよう」と、かつて吉宗の「御内証の方」だった水野(中島裕翔)が茶化すが、吉宗は真顔で「夫婦のよう、でない。夫婦じゃ」と即答。

なぜなら、吉宗の傍で長年仕え、子や孫の世話をしてきた杉下は、男と女の関係ではなく、「子・孫」という大切な存在を共に守るパートナーであり、家族となっていたからだ。

「種無し」として大奥では役立たずの存在とされてきた杉下。しかし、家光(堀田真由)、綱吉(仲里依紗)時代に、将軍は「世継ぎを産むだけ」の存在で、男は「種をつけるだけ」の存在とされてきた中、吉宗の世には時代の成熟度が上がっている。

そんな中、杉下のもとに新たな見舞い客が。それはかつて水野を「御内証の方」に陥れた藤波(片岡愛之助)だ。しかし、死んだはずの水野を見て、藤波は驚き、と同時に喜び、抱きしめる。藤波も自身が無用の殺生をした咎を負っていたのだ。そして、「推し」の歌舞伎役者、片岡仁左衛門の浮世絵を配りまくり、吉宗に後見にならないかと提案する。

かつてはお気に入りの美男を傍に侍らせ、権力欲むき出しでギラギラしていた藤波が、今や「推し活」で満たされ、毒気の抜けた幸せな顔をしている。「推し」の力こそ平和の象徴なのか。

しかし、そんな楽しいひと時はあっという間に終わり、まもなく杉下は逝去。そこから凶作が訪れ、一揆が起こり、再び不安定な世の中がやって来る。

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