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瞳みのるさん、京都時代の「食」を語る。ザ・タイガース結成前、毎朝食べた京漬け物ごはん

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藤岡眞澄

京都に行くと錦市場で買い出しも

そして、京都にはこの季節にはこれ、この行事にはこれ、という食べ物もあります。たとえば9月初めの北野天神祭のときに食べる鯖の棒寿司。関西では「きずし」と言います。京都は盆地なので、昔は新鮮な魚介を手に入れるのがむずかしかったんです。若狭で獲って、塩をして鯖街道を運ばれ、京都に着くころには熟れ具合がちょうどよくなった鯖を酢で〆て作る鯖寿司はぜいたく品。小さいころから、祭の日にこの鯖寿司を食べるのが楽しみでした。「若狭」の鯖を食べるのが、ぼくの「若さ」の秘訣だったんですが、50歳代半ばに突然、鯖寿司にあたるようになって、以来食べられなくなったのが残念でなりません。

仕事で京都に行く機会があれば、錦市場で買い出しして帰ります。だし巻き卵、すぐきや日野菜、壬生菜などの漬け物、鱧の蒲焼き…… それから薄皮でおいしい三条大橋・珉珉の焼餃子。錦(市場)も最近は観光地化して、立ち食いをさせる店が増えていますが、もとは京都に暮らす人の台所。買って帰って家で食べるための商店街だったはずで、昔ながらの商売をする店がやりにくくなっているのでは、と心配しています。

いずれにしても、京都で生まれ育ったことがぼくの味覚や「食べる」ということについての考え方のベースにあることは間違いないと思っています。

PROFILE
瞳みのる
ひとみ・みのる●1946年、京都府生まれ。ザ・タイガースのドラマーとして67年にデビュー。71年のグループ解散後は、高校復学を経て慶應義塾大学文学部中国文学科へ。修士課程へ進み、教員免許を取得する。その後、慶應義塾高等学校教諭として中国語・漢文を担当し、2010年に退職。11年からはミュージシャンとしての活動を再開し、瞳みのる&二十二世紀バンドなどで精力的に活動中。
オフィシャルサイト

瞳みのるさんが、グループサウンズの聖地、日劇に甦ります!

「瞳みのるHa・Pee・y Birthday Event 2023 in 日劇!!
~日劇ウエスタン・カーニバルを再現~」
2023年9月23日(土・祝)
会場:I'M A SHOW(アイマショウ)
有楽町マリオン別館
「瞳みのるHa・Pee・y Birthday Event 2023 in 日劇!!

次回は、ザ・ファニーズ~ザ・タイガース時代の「食」について語っていただきます。

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