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都会から地方へ。畑仕事をはじめたデザイナーAsakoさんの「農」のある暮らし

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暮らし本編集部

自分たちなりの方法で、少しずつ変わっていった畑

そんなふたりの熱意に応えるように、土壌も次第に変わってきます。カチコチだった土が、少しやわらかくなり、生えてくる雑草の種類にも明らかな変化が。

「以前は途中でダメになってしまっていた野菜が少しずつとれるようになってきたんですよ! 周りと比べたら全然ですけど、昔の自分たちの畑からすると、すごく畑っぽいねって」

野菜が育つのは当たり前ではない。義母に感謝への感謝の気持ち

あさこさんが畑仕事をやってみたいと思った一番の理由は、義理のお母さまがつくる野菜がおいしかったから。

「ときどきお母さんの畑で農作業を手伝わせてもらうのも楽しくて、自分もやってみたいと思うようになったんです」

 いざやってみると大変さが身に染みました。だけどそのぶん、無事に収穫できることのありがたさも知れたのです。「お母さんがつくる野菜もお店に並んでいる野菜も、どれも立派。それがどんなにすごいことなのか、わかっていなかったんですよね。あたりまえだと思っていたから」

畑を借りる直前に、「これからは自分たちで育てるから、お母さんが育てた野菜のもらい手がなくなるかも……」と、いらぬ心配をしたのも、今では笑い話。

「みなさんが育てた野菜もありがたくちょうだいしながら、自分たちの畑で育てた野菜を食べられる喜びをかみしめています。うちのはどれも小さいですけど」

もちろん、小さくとも味は上等。なんといってもここには「感動」がつまっているから。

今日が雨でも、明日は晴れるかもしれない

苦節8年。どんなにうまくいかないときでも、投げ出さずに続けてこられたのは、ささやかながらも育ってくれた作物があったから。そして何より自然が相手だから。
「自分たちにはコントロールできないことがあって当然ですよね。天気と同じ」。

今日が雨でも、明日には晴れるかもしれない。そう思えるようになったことが一番の成長です。雨上がり、颯爽と畑に向かうふたり。今日も必ず、何か変化があるはず。小さな兆しを見逃すまい。

撮影/清永洋 まとめ/糸井里未

ちいさな「農」のある暮らし

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