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「ほぼタイガース」再会を果たす。瞳みのるさんは鍋奉行。「沢田も鍋奉行。肉を焼くときもうるさく指示してきます」

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藤岡眞澄

ザ・タイガースのメンバーとして大人気を博した瞳みのるさんは、「食べること」をとても大切にしていらっしゃいます。京都時代、ザ・ファニーズ~ザ・タイガース時代、ザ・タイガース解散後の食について順に伺ってきたインタビュー。第4回は音楽活動を再開してから現在の話です。メンバーと集まって食事会をする様子も教えていただきました。

「ほぼタイガース」再会を果たす

1971年に音楽活動を止めてから、ザ・タイガースのメンバーと連絡をとることは一切ありませんでしたが、元マネジャーの中井國二さんから熱心な勧めがあり、久しぶりに彼らと音楽について語ってみるのも悪くないと再会を果たしたのは、2008年12月。37年ぶりのことでした。

集まったのは。加橋かつみ以外のメンバー、岸部一徳、森本タロー、沢田研二、瞳みのるの4人で、通称「ほぼタイガース」。それに中井さんを加えての5人。場所は、ぼくが大学生のころから通った渋谷・道玄坂の日本料理店「玉久」。

行きつけの店でリラックスできたのか、お酒が進み、4~5時間もたつころには心がほどけて、京都でザ・ファニーズを結成したころの友だち、仲間に戻っていく感覚を味わいました。その場で「もう一度やらないか?」という話が出て、「この人たち、何を言っているの!?」と思いましたが、2011年9月、ぼくは「沢田研二コンサートツアー2011~2012」(全国33カ所38公演)のステージに立っていました。

音楽活動を再開して以降、「ほぼタイガース」の面々とは折に触れ、食事をする機会を持っています。フレンチなどに行くこともありますが、居酒屋に行くことも多い。ただ、タローの地元である三軒茶屋近辺の店を指定されると、いくら旨くてもわが家からはかなり遠く、帰り路で酔いも冷めるほどなので閉口します(笑)。

ぼくは鍋奉行。沢田も鍋奉行で健啖家!

「ほぼタイガース」のメンバーがよく集まるのは、焼き肉屋。タローの古希祝を沢田が計画して、川崎の焼き肉屋に集まったとき、タローとぼく、それにまだ結婚前だった妻のテーブル、沢田と一徳のテーブルと2つに分かれて座ったら、大量に注文するのでぼくらのテーブルは食べきれない。すると沢田が、「それ、食べないの? だったらよこせよ」と、全部平らげました。

「ほぼタイガース」で大分に行ったときは、ステーキ屋に出かけ、ぼくは最初に200g、追加で150g頼んで、今日はよく食べたと思っていたら、沢田はさらにその上、400g以上を腹におさめました。健啖ゆえの体型(?)かもしれません。ちなみにぼくは毎日体重計にのり、理想体重54㎏をキープするように調整しています。

食の奉行もいます。ぼくは自分でおでんを作ったら、何が食べたいかを聞いて器に取り分けて渡し、鍋に手を出させません。具が崩れてて澄んだ旨いつゆが濁るのがどうにも我慢ならないからです。つまりは、鍋奉行。

沢田もいわゆる鍋奉行で、肉やお好み焼きなど粉もんを焼くときは、「まだ早い」だの「これは大丈夫」だの、うるさく指示してきます。

味奉行もいます。一徳は、餃子が売りの店に行って、「ここは餃子以外はまあまあいけるね」と平気な顔をして言い放つ。褒め方もけなし方も他にあるだろうに、と思います。

この一徳と食事をすると、食べるのがとにかく早い。9人兄弟で育って、食事はおそらく大皿で出てくるから早い者勝ちだったのでしょう。ぼくは6人兄弟だったけれど、一人分ずつ「個」で出てきたから、食べるのがゆっくり。だからいまも、夕食は最低でも2品は作ります。一品は「肴」、一品は「締め」。冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温かいうちに、といわば酒飲みの食事です。

こうしてみると、幼いころからの食生活が、習い性になっているし、食事にはそれぞれの性格や個性があらわれる。そんなことを感じながら過ごすザ・タイガースメンバーとの食事会は、ぼくにとって心満たされる感謝の時間です。

PROFILE
瞳みのる
ひとみ・みのる●1946年、京都府生まれ。ザ・タイガースのドラマーとして67年にデビュー。71年のグループ解散後は、高校復学を経て慶應義塾大学文学部中国文学科へ。修士課程へ進み、教員免許を取得する。その後、慶應義塾高等学校教諭として中国語・漢文を担当し、2010年に退職。11年からはミュージシャンとしての活動を再開し、瞳みのる&二十二世紀バンドなどで精力的に活動中。
オフィシャルサイト

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2023年9月23日(土・祝)
会場:I'M A SHOW(アイマショウ)
有楽町マリオン別館
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