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清水ミチコさんの〝あきらめる力〞「老いだって、笑えばネタに。60代を迎え、いい意味で力が抜けラクになってきました」

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ゆうゆう編集部

何事にも終わりはある。だから怖くない

テレビのバラエティ番組から、ライブ中心へと仕事もシフトしてきた清水さん。もはや年末年始の風物詩となっている日本武道館でのライブは、次回で10回目を迎える。

「これは自分で選ぶというよりは、需要と供給の側面が強いのですが、おかげさまでライブが増え、感情をみんなで共有できる空間がとても居心地のよい場所になっています」

ライブに臨むときの気持ちも、年とともにラフになった。

「絶対に笑わせる!と力が入るとお客さんも身構えてしまうんですね。うまくいかないことが多いです。こちらが気負わずラフでいると、みんな同じ気持ちになれるというか。今日もお風呂でひとりで歌うんだ、くらいの気持ちでステージに立てたときは、いい結果が待っています」

1万人の見守る武道館、お風呂と思えるまでには緊張感との戦いもあったはずだ。

「そうですね。年齢を重ねるよさがもう一つありました。それは怖がらなくなったこと。たいていのことは始まれば終わるということを知ったから。たとえば育児の真っただ中では、私は永遠にこの子のおしめを変えるんじゃないかと思ってしまうけれど、何事にも終わりはきます。いつか終わる、だから怖くない。ある種あきらめと一緒ですね」

活躍の場を広げた30代、40代。仕事の欲も深くなった。「後に友達に聞いた"足るを 知る" という言葉を教えたいですね」

憧れの先輩と笑ってくれる後輩

年とともに「あきらめ」の境地を会得する一方で、昔からの「憧れ」を今ももち続けている。

「森山良子さんは今でも歌を習ったり、英語を習ったりしていらっしゃるし、大竹しのぶさんはやっぱりいつも恋をしていたりとか。本当に恋人がいるかは知りませんよ(笑)。でもそんな少女のような気持ちをもち続けている。いつも前向きで自分を高めている方の存在は励みになり、目標になります。年齢を重ねた今でも、こうなりたいと憧れる人がいるのはとても嬉しいことですよね」

「似せたい」より「なりたい」が清水さんのモノマネの原動力。森山さんや大竹さん、そして矢野顕子さんなど、モノマネに登場するのは大物ばかりだが、その相手と仲よくなってしまうのが清水さんのすごいところだ。年上の女性と仲よくなるコツはあるのだろうか。

「我慢してくださっている方も多いと思いますけどね。でも年上の女性は優しいですよ。逆に年下とうまくやるほうが難しい。林真理子さんがエッセイに書いていましたが、たとえば自分より3つ下の人は、向こうからするとこちらを5つ以上年上だと思っていると考えたほうがいいんですって。こちらは近しいつもりでも、あちらからすればオバサン。すごく距離を感じているんだとか」

とはいえ、後輩芸人にも慕われている印象だ。

「今の若い芸人たちは本当に性格がいいので。でもジェネレーションギャップを感じることはよくありますよ。流行のアニメを知らないとか、カラオケで曲がわからないとか。そんなときは、私が若者についていけないことを笑ってもらってます。人間関係って、弱みを見せたほうがお互い楽しいと思うんです。知ったかぶるのがいちばん悲しいですから」

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