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【らんまん】万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)に田邊(要潤)がどう絡んでいくのかにも注目!

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田幸和歌子

朝ドラを見るのが1日の楽しみの始まりとなっている人、多いですよね。数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。より深く、朝ドラの世界へ!

【らんまん】万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)に田邊(要潤)がどう絡んでいくのかにも注目!

『らんまん』第34回より(C)NHK

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長田育恵作・神木隆之介主演のNHK連続テレビ小説『らんまん』の第7週「ボタン」が放送された。本作は、明治の世を天真らんまんに駆け抜けた高知出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにしたオリジナルストーリー。

野田基善(田辺誠一)からの紹介状を手に、東京大学植物学教室の門を叩く万太郎(神木隆之介)。今週は、現代にも通じる「研究」「学問」「教育」のあり方を問う内容だった。

十徳長屋に住む東京大学学生・堀井丈之助(山脇辰哉)と共に多くの視聴者が気になっていたのは、小学校中退の万太郎が本当に東京大学に行けるのか否か問題。

植物の知識があり、植物の絵を上手に描け、植物標本の作り方も分類の仕方も知っていて、英語も堪能な万太郎とはいえ、無試験で、紹介状1枚で入れてしまったら、好きでない科目も無意味に思える課題もこなしてきた正規ルートの一般学生はやりきれない気持ちになるだろう。

実際、突然、田邊教授(要潤)を訪ねて来た万太郎に植物学教室の面々は戸惑い、助教授の徳永(田中哲司)や講師・大窪(今野浩喜)は門前払いしようとする。「教授と話したければ、まず順序というものがある」と、まず中学校を出るように言う徳永に、万太郎がそんな遠回りはできないと反論すると、学生たちから「その遠回りをして俺たちはここにいますよ」「無論、進学できなかった人もいます」という声があがったのも当然だ。

しかし、そこに現われた田邊は、万太郎の標本を見ようと言い、「社会的地位のあるものは果たすべき義務がある」と英語で語る。その物言いはいかにも不遜だが、見ず知らずの若者にも門戸を開こうという思いも、国のお金で留学させてもらった恩返しで政府の仕事をしていることも、恵まれた境遇を自覚するがゆえの社会還元の意識ではある。

これは、造り酒屋のボンボンとして育ち、好きな本を山ほど読んで、節目節目で大切なことを教えてくれるメンターに出会ってきた恵まれた万太郎が、日本中の植物を調べ、世界中に知らしめる役割を自分にしかできないことと確信する思いとも共通している。
ともあれ、「小学校中退」である自身を見下す面々に対し、毅然とした態度で「ほんなら、結構ですき」と言い、英語で「あなた方は黙ってわしが世界に打って出るがを眺めちょったらえい」と啖呵を切る万太郎の意外な短気さ、痛快さは、夏目漱石の『坊ちゃん』のようで、徳永&大窪はさしずめ赤シャツ・野太鼓のようだ。

予想外に英語が堪能な万太郎に対して、皆の見る目が変わり、さらに「土佐植物目録」を広げてみせると、一同目を輝かせるワクワク感。そして、誰よりその凄さがわかる田邊は、万太郎が植物教室に出入りすることを認めるのだった。

しかし、残酷にも、そんな異端の万太郎と学生たちの違いが明確に見えてくる。課題に追われ、標本作りの作業がおざなりになる2年生の波多野(前原滉)や藤丸(前原瑞樹)に代わり、自身が作業すると申し出る万太郎。手際よく標本作りを進め、その葉の特徴などからそれと思しき植物が何か、資料のどのあたりに載っていたかまで具に瞬時に言い当て、特定するための課題まで提示してみせるのは、見事と言わざるを得ない。

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