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【らんまん】竹雄(志尊淳)が持ってきた箸で食べればおいしい! 万太郎(神木隆之介)と西洋料理を重ねて描く構成にしびれる

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田幸和歌子

朝ドラを見るのが1日の楽しみの始まりとなっている人、多いですよね。数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。より深く、朝ドラの世界へ!

【らんまん】竹雄(志尊淳)が持ってきた箸で食べればおいしい! 万太郎(神木隆之介)と西洋料理を重ねて描く構成にしびれる

『らんまん』第39回より(C)NHK

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【第7週のらんまん】万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)に田邊(要潤)がどう絡んでいくのかにも注目!

長田育恵作・神木隆之介主演のNHK連続テレビ小説『らんまん』の第8週「シロツメクサ」が放送された。本作は、明治の世を天真らんまんに駆け抜けた高知出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにしたオリジナルストーリー。

万太郎(神木隆之介)は東京大学植物学教室に通い始める。しかし、植物の知識が豊富で植物画も上手く、英語も堪能とは言え、小学校中退で、試験も受けずに田邊教授(要潤)の鶴の一声で出入りを許された人間が、周囲に簡単に受け入れられるわけもない。

そうした世間のとらえ方や理を万太郎に教えてくれたのは、差配人のりん(安藤玉恵)だ。万太郎に誘われ、竹雄(志尊淳)の働く西洋料理屋に行った際、よそ者扱いされる万太郎の寂しさを推し量りつつも、「玄関じゃなく、いきなり縁側からあがりこんだようなもん」「分からないものは気味悪いよ」と“正論”をぶつける。

その上で、万太郎の人柄がわかり、「悪い人じゃない、変わった人だって分かって良かった」と言い、豪快にステーキにかぶりつく。得体の知れない洋食は、怖い。でも、竹雄に持ってきてもらった、慣れた箸で食らえば、その美味しさも受け入れることができる。本作の描く「多様性」を、万太郎と、西洋料理という「異物」を重ねて見せ、豪快に飲み込んでみせる構成にはしびれる。

さらに、同志を得たつもりが、一人のときよりも孤独だと万太郎がこぼすと、竹雄が「捨ててきたもんの重さなら、若は引けを取らんと思うちょります」と言い、自分の好きなようにやるよう、背中を押す。さすが「若」の強みも弱点も熟知した竹雄だ。万太郎のような無垢な天才・変人・オタクに“常識”を説いても、萎縮させるだけ。竹雄は「若」の名パートナーでありつつ、人の良い面を伸ばす天才でもある。

そして、りんと竹雄の励ましにより、万太郎は再び動き始める。倉木(大東駿介)に案内を頼み、植物採集に出かけ、藤丸(前原瑞樹)が癒しを求めてウサギに餌をあげていたことから、ウサギ用にシロツメクサを持ち帰り、植物の話をする中で徐々に藤丸や波多野(前原滉)と打ち解けていく。

さらに、寿恵子(浜辺美波)が、万太郎にもらった牡丹の絵をもとに職人が作った新しい和菓子を万太郎に見せると、万太郎の植物オタクトークが炸裂。植物の魅力を語りつつ、目の前で次々に植物画を描いて見せ、植物図鑑を作ることを思いつく。

万太郎の情熱は周りに伝播し、東大落第生の堀井(山脇辰哉)は小説の改革を唱え、藤丸は菌類への関心を、波多野は植物の品種改良への野望を、それぞれ熱く語り始める。そうした発表の手段として、堀井が万太郎に雑誌を出すことを勧めると、万太郎は「天才!」と叫び、一同興奮状態に。対象は違えど、好きなモノへの情熱でつながる仲間たちは、実に楽しそうだ。

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