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羽田美智子さん「私の旅は『人に会いに行く』がテーマ。『今しかない』出会いを大切に」

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ゆうゆう編集部

旅先で出会った職人たち。その仕事の素晴らしさを 伝えることが私の「使命」

しだいに仕事でもレギュラーで番組をもつなど、旅に関するものが増えていった。ある時期からは、その中でも「あるテーマの仕事」が突出して多くなったという。

「時計を50年作っているおじいさんだとか、教会の鐘を作っている人など、国内外問わず職人さんを訪ねる旅がなぜか多くなっていったんです。国内の職人さんの仕事を取材する番組を6年間やらせていただいたんですが、本当に知らない世界だったので、職人さんの世界って奥深いなぁと感動しました。その技術のきめ細かさと、ひとつの製品が出来上がるまでのご苦労や物語にすごく感銘を受けてしまったんですね。

と同時に、『これは日本の誇りだな』とも思ったんです。けれども、その方たちが販売にも熱心かというとそうではない。作ることに追われて販路を広げるところまでは手が届いていない方がほとんどでした。それを見て、『こんなにいいものなのだから、もっと知られたら、絶対欲しがる人がいるのに』と思ってしまって」

折から、羽田さんの中ではひとつの計画が進んでいた。それは一度途絶えた家業の「羽田甚商店」を6代目として再開するというもの。全国各地で出会った職人が生み出す商品と巡り合ったことで、この店を職人と消費者を結ぶ場にしようと思いついた。そして2019年、オンラインセレクトショップ「羽田甚商店」を開業するに至ったのだ。

「職人さんに会う旅を重ねるうちに、だんだんとこれが私の『使命』なんだろうなと思うようになっていきました。観光地巡りをして『楽しかった!』という旅もすてきだと思います。でも、私の旅のテーマは、やはり『人に会いに行く』ことなんですね。出会った人の印象が一番の旅の思い出になっている。貴重な美術品を見た、歴史ある世界遺産を見たというのも大事な経験ですけれども、何より心に残っているのは、そこで暮らす人々の普通の暮らし。それを見せてもらうのが、一番の楽しみですし、いろいろな気づきも与えてもらえるんです」

古都・京都のように歴史を重ねて堂々と立つ成熟した女性になりたい

毎回、価値観を根底から考え直させられる人やモノに出会いながら、自分という人間が形作られてきた。旅はそんな発見の場であり、自分を知る場でもあった。

「若い頃、とてつもなく不安だった時期があったんです。何が怖いのかと考えたときに、若さを失うのが怖いのだと気がついた。自分の居場所だったところには、次から次に若い子が押し寄せてくる。若さを失った自分にはもう価値がないんだとビクビクし、不安になっていたんです。

そんなとき、仕事で京都に行く機会が増えました。すると、そこには神社仏閣が堂々とそびえ立っているんですよ。外国人観光客が『この建物が、これだけ長い時間をここに立っているだけでも尊敬に値する』と言うのを聞いて、ああ、そうかと。

日本は女性に対して、若ければ若いほどよいという価値観があるけれど、長い歴史を生きて堂々と存在している文化に尊敬の念を抱く、そういう価値観も世界にはあるのだなと気づいたんですね。それがわかったとき、『私もいつかこんな京都のように堂々と立つ女性になって、成熟していきたい』と、勇気づけられました。旅からはそんな生きる力も与えてもらってきたのだと思います」

何度でも訪れたい京都

地元の人に「京都人だね」と言われるほど縁の深い土地

土地と深い縁があるのか、仕事でもプライベートでも数え切れないほど訪れている京都。各所に知り合いも増えて、今では「羽田さん、実家、京都やったよなぁ」と地元の人に言われるまでになった。

その経験と知識を生かし、友達から頼まれて旅行プランを練ることも。神社仏閣好きな羽田さんにとって心安らぐ第二の故郷だ。

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