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【医師チャ・ジョンスク】ドタバタ不倫劇では終わらせない、という作り手の矜持が伝わる13〜16話【韓国ドラマ】

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marumi

マチュア世代が全力で応援したくなるドラマがいま、話題です。20年間の専業主婦生活を経て、ある出来事をきっかけに、1年目のレジデント(研修医)に挑戦する女性の物語。韓国ドラマ『医師チャ・ジョンスク』は、2023年4月からNetflixで独占配信中。全16話のうちの、13〜16話について紹介しましょう。(ネタバレを含みます)

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アメリカに養子に出され、実の親きょうだいと再会を果たしたけれど、情のかけらもない対応に傷心のロイ・キム(ミン・ウヒョク)。その肩を落とす姿を見て、何も聞かずに「病院まで(タクシーに乗らず)走って帰ろう」と誘って元気づけられるのは、チャ・ジョンスク(オム・ジョンファ)しかいない。

ふたりがお揃いのジョギングシューズを買って、並んで橋の上をランニングするうちに自然と笑顔になっていくシーンが爽やかで素敵だ。ジョンスクが適度にオバさん体型にみえるのも、親近感が沸く。人の痛みを察することができ、笑顔にするための努力を惜しまないジョンスク。「いい医者になる」というジョンスクの目標が、現実のものになっていくプロセスを描いた13~16話。見ているみんなが幸福な気持ちに浸れる、ラストへの道だ。

医学部同期で同じ病院の医師でもあるチェ・スンヒ(ミョン・セビン)と夫ソ・イノ(キム・ビンチョル)との長年の不倫どころか子どもまでいることを知ったジョンスク。イノに離婚通告を突きつける。そして、悩み事を抱えている様子の娘を案じて体調を崩した母も、主要人物総出演(ロイを除く)のトンデモ修羅場@焼き肉店で事実を知ることとなる。なんと、母の主治医は、娘を傷つけた張本人のスンヒだったのだ。

複雑な思いが交錯するジョンスクとスンヒ。でも、スンヒは有能な医師として、母の難病治療に最善を尽くし、そのことを知ったジョンスクは病院の屋上にスンヒを誘い、礼を述べる。一方のスンヒは、「ごめんなさい」と初めて謝罪を口にする。それを聞いて、「今まであなたも私も十分苦しんだ。これからは楽に生きたい。あなたもそうして」と言葉を絞り出すジョンスク。決して和解などではない。が、お互いの立場を理解し、尊重し合った大人の女性だからできる会話だと思う。ドタバタ不倫劇では終わらせない、という作り手の矜持を印象づけるシーンだ。

そんな折、ジョンスクは心労と激務などが重なり、怖れていた移植の拒否反応で、2度目の肝臓移植が必要な事態に陥る。

「確かにおれはクズだったが、一度くらい君に償うチャンスを与えてほしい」と肝臓の提供を申し出るイノ。1度目はあれほどドナーになることをためらったのに、この期に及んで、だ。さらに、主治医のロイからも「ぼくの患者であり、大切な友人であり、同僚ですから」とドナーの申し出が。ロイの「先生が元気に過ごす姿が見たい」という言葉が、「好きです!」に聞こえたのは私だけではないはず。

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