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鎌田 實さんがアドバイスする「ちょうどいい孤独」。個立有縁でいこう

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ゆうゆう編集部

コロナ禍では、可能な限り「ひとりでいる」ことが求められた。そんなときこそ、「孤独に追い込まれるのではなく、孤独を楽しむチャンスと考えよう」、そう語るのは医師の鎌田實さん。不安を勇気に変える言葉をいただきました。

PROFILE
鎌田實さん

かまた・みのる●1948年東京都生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長。
東京医科歯科大学医学部を卒業後、諏訪中央病院で地域一体型の医療に携わり、長野県を健康長寿県に導いた。
91年に日本チェルノブイリ連帯基金を創設、2004年にイラク支援を開始、現地に赴き医療活動を行う。
読売国際協力賞など受賞多数。

『ちょうどいい孤独』鎌田實・著/かんき出版 

充実した日々を送るヒントが詰まっている一冊。読むと元気になれる。

マチュア世代こそ孤独から多くを学ぶ

孤独という言葉にはマイナスのイメージがつきまとう。しかし鎌田實さんは「孤独には、よい孤独と悪い孤独があるんです」と話す。

「望まない孤独の中にいると『孤独はさびしい』『孤独はよくない』と、孤独の悪い面ばかりが見えてきます。一方で、見方を変えると孤独は自分と向き合う時間であり、人の顔色をうかがうことなく好きなことができる時間でもあります。『今は会えないけれど、そのぶんひとりの時間を充実させよう』と孤独を楽しむ気持ちになれれば、孤独にはいいことがたくさんあるのです」

鎌田さんは、特にマチュア世代の女性たちにこそ、孤独を楽しむ習慣をつけてほしいと言う。

「夫のため、子どものため、友達とのいい関係のために自分を押し殺してきた人は多いと思うんです。それが悪いとは言いませんが、子どもが成長し、夫が定年退職したらもう『誰かのために』と考えすぎなくていいはず。自分は何がしたいのか、どう生きたいのか、家族や友人の視点ではなく自分だけの視点でとらえてください。世の中の見え方、自分自身の見え方が変わります」

本来の自分らしさを見つめ直し、「私はこうしたい」と自己決定する力をもつことを、鎌田さんは「ソロ立ち」と呼ぶ。長く地域医療に奔走し、さまざまな患者さんの人生、そして死と出合う中で、鎌田さんはソロ立ちの重要性を痛感してきた。

「命の最期は個人戦です。どんなに仲のよい夫婦でも、亡くなるときはひとり。夫婦だから親子だから、最期は何とかしてくれるだろうなんて思っちゃいけません。病気になったらどんな治療を受けたいか、どこでどんな最期を迎えたいか、自分で選び取ることが大切なのです。最期に『自分の人生を生き切った』と思うためにもソロ立ちは大切です」

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