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パートタイマーが知っておきたい【年収の壁】。社会保険に加入するメリットとは?

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ゆうゆう編集部

パートタイムの人が知っておきたい【年収の壁】とは? なぜ、何種類も壁があるの?  社会保険に入ると何がお得なの? 社会保険労務士の北村庄吾先生にわかりやすく解説していただきました。

「年収の壁」と「年収の調整」

サラリーマンの妻で、パートなどで働く方は、その年収が一定額を超えると、夫の扶養から外れ、自身で社会保険料や税金を負担することになります。その結果、年収が増えたにもかかわらず手取りが減ってしまうことも。そのため、働く時間を調整するなどして年収を一定額に収めようとする方は少なくありません。

このような、社会保険料や税金の負担が生じるかどうかの分かれ目となる年収のことを「年収の壁」といい、昨今見直しが検討されています。ここでは、サラリーマン世帯の「年収の壁」について解説します。

パートなどで働く方のうち、年収が一定額に収まるよう時間を調整している人の割合は4人に1人といわれています。図1はその収入別の割合を示したもの。「50万~99万円」と、「100万~149万円」の層で8割以上を占めていることがわかります。このことには、これから解説する年収の壁が大きく関わっています。一つひとつ見ていきましょう。

第1の壁「100万円」

第1の壁となる「100万円」は住民税の壁です。前年の1月から12月までの収入が100万円を超えると住民税が課されます。

住民税・所得税は、収入から一定の控除額等を引いた所得に税率を掛けて算出します。住民税は、所得に応じて課される「所得割」と、所得にかかわらず課される「均等割」を合算します。所得割の税率は10%、均等割の額は5000円ですが、自治体によって若干変動があります。

図1で年収の調整をしている人のうち「50万~99万円」の層が5割近くに上っているのは、この第1の壁を意識している方が多いためと考えられます。

第2の壁「103万円」

第2の壁である「103万円」は所得税の壁です。前年の1月から12月までの収入が103万円を超えると所得税が課されます。

税率は所得が多くなるにつれ高くなりますが、195万円未満の税率は5%です。

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