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「悩みを手放す方法」とは? ついてない1日が清々しい1日に。枡野俊明さんに学ぶ

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マチュアリスト編集部

「朝の掃除」には、深い意味が込められていることがわかります。
「環境と心は直結している」というのは、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
たしかに、ごちゃごちゃした机に向かっているよりも、すっきり整頓された机のほうが、いろんなことがはかどる気がします。
環境を整えることは、想像以上にプラスがあることなのかもしれません。

さて、実際に枡野さんは朝の時間をどう過ごしていらっしゃるのでしょう。
その様子を『悩みを手放す21の方法』から参考にさせていただきましょう。

朝の散歩で四季を味わう

朝起きたら、窓を開けて室内の空気を入れ替えることも忘れないでください。夜のよどんだ空気を、朝の新鮮な空気に入れ替え、大きく深呼吸しましょう。そのうえで掃除し、終わったらいつものルーティンを始めましょう。それでも30分早く起きたのですから、少しは時間が残っているはずです。

その時間を、できれば朝の散歩にあててください。通勤している人であれば、バス停ひとつぶん歩くとか、隣の駅まで歩く程度でかまいません。

私の場合、朝は4時半に起きます。洗面や着替えをすませたら、すぐに建物の扉や寺の山門を開けてまわります。寺は広いですから、朝だけで2千歩弱くらい毎日歩くことになります。冬なら周囲はまだ真っ暗ですが、夏至の頃になると朝の4時でも空は白々と明るくなっています。鳥の声、開く花たち、空に浮かぶ白い月。日本の四季の変化を堪能できるのも、朝ならではの楽しさです。そのうちに心は整い、今日一日精いっぱい生きていこうという覚悟のようなものが、体の内側からふつふつと湧いてくるのです。

早起きが苦ではないという方は、起床時間を4時や5時に前倒ししてみてはいかがでしょう。私の場合、原稿を書いたり、メールの返信をしたりする事務作業はすべて朝のうちに終わらせてしまいます。朝9時を過ぎると世の中が動き始めますから、自分のペースを保つのが難しくなるからです。しかもたっぷり眠ったあとですから、体力も気力も充実し、仕事の効率もよいのです。「大事なことは家族が寝たあとにしている」とい う夜型タイプの方は、ぜひ朝型へ切り替えてみてください。効率のよさに驚くはずです。

<一禅チャレンジ>
朝はテレビをつけない

「10分ではあまり掃除ができなかった」という人もいますが、集中できていたでしょうか。多くの人は朝起きたらすぐにテレビのスイッチを入れると思います。でもそれでは「ながら」になります。そのせいで掃除に集中できず、時間がかかったり中途半端に終わったりしてしまいます。掃除をするなら掃除だけ、テレビを見るならテレビだけに集中しましょう。これは日常のすべてにいえることです。どんなことでも、やるべきことはひとつだけ。今の行動に集中すれば、かかる時間は短縮できミスすることも減るはずです。朝の散歩も同じです。音楽を聴きながらではなく、朝の空気に全身を預けながら歩いてみましょう。

プロフィール
枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。「禅の庭」を通して国内外から高く評価される。芸術選奨文部大臣新人賞受賞、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。『禅僧が教える不安に負けない心の整え方』(主婦の友社)など著書多数。

※この記事は『悩みを手放す21の方法』枡野俊明著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

悩みを手放す21の方法

枡野俊明著
主婦の友社刊

戸惑ったりイライラしたりの毎日、そんな心を支えてくれるのが「禅」の考え方です。禅というと、坐禅を組むことが思い浮かびますが、禅では生活そのものが修行なのです。歩く、立ち止まる、座る、横になる。そんな日常の立ち居振る舞いすべてが修行になります。この本では、生活の中に禅的なものを取り入れる21の行動(形)を、禅僧である枡野俊明さんが自ら手本を示しながら教えます。まずは呼吸する、立つ、座るといった「形」を整えることから。そして、食事や生活習慣などの行動、コミュニケーションについて。内面(心)を整えるためには、まず形(行動)から入るのです。行動から入れば、心はあとからついてきます。大切なのは、頭で考えたり悩んだりする前に「行動する」こと。この本を読み終える頃には、禅的生活がきっと身についているはずです。困ったり怒りが湧いてきたら、丹田を意識して、息を吐くこと。それも立派な「禅的生活」です。

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