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更年期とそのあとはどう違うの?つらい更年期障害を過ぎた後に待っているのは?

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浜中聡子

女性ホルモンだけでなく、他のホルモンも減少する

じつは、アフター更年期に減少するのは女性ホルモンだけではありません。年齢とともに減ってくるホルモンはいろいろあり、体調不良の原因となっていきます。例をみてみましょう

・甲状腺ホルモン
のど仏の下にある甲状腺から分泌される、生命を維持するために重要なホルモンのひとつ。アフター更年期には、潜在的な甲状腺機能低下により、倦怠感や疲労感、眠気、抑うつ症状、肌の乾燥、顔のむくみなどの症状が出ることがあります。

・成長ホルモン
睡眠中に脳の下垂体から分泌されます。幼少期は身長を伸ばし、20代以降は細胞の再生や修復のために働いています。成長ホルモンの分泌は20代に入ると低下し始め、体のたるみや肥満、筋肉の萎縮、皮膚の老化、薄毛、記憶力の低下などが進みます。

・メラトニン
暗くなると分泌が高まるホルモンで、快い睡眠のリズムをつくり出します。メラトニンの分泌も年齢とともに低下し、アフター更年期以降、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったり、中途覚醒して睡眠の質が落ちやすくなったりします。

・コチゾール
副腎から分泌されるホルモンで、代謝や炎症抑制など生命活動に不可欠。ストレスを受けると急上昇するので「ストレスホルモン」ともいわれます。過剰に分泌されると肥満、高血圧、高血糖、細胞老化が進み、不足すると免疫力低下を招きます。

アフター更年期は、人生の折り返し地点

日本の女性の平均寿命は世界一で、87.57歳(2021年)。50〜60歳のアフター更年期はまだまだ人生の中盤で、人生の折り返し地点です。

以前、高齢の患者さんの多い病院で勤務したことがありました。そこで学んだことのひとつが、同じ90歳でも健康長寿が不健康長寿か、ポジティブかネガティヴかによって、人生後半のクオリティがまったく違うということです。ならば、人生後半の長い日々を気持ちよく過ごせるように、なるべく早いうちから健康管理の道筋を立てておくことが大切、と考えるようになりました。

アフター更年期は、それまで積み重ねた経験を生かして、豊かな人生を送ることができる時期です。重い荷物を降ろして、自由な発想で時を刻むことができる時期。女性にとって、もっとも輝ける時期ともいえるかもしれません。

そんな時期に心身の不調で参っていてはもったいないですね。すこやかに過ごすためには、不調に気づいたときに先手先手で対処することが重要なポイント。早めの軌道修正で、アフター更年期からの人生を快適に過ごしていきましょう。



※この記事は『アフター更年期からの不調を治す50の習慣』浜中聡子(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。
※2022年10月21日に配信した記事を再編集しています。

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