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熟年離婚をしたら、年金はどうなりますか?ファイナンシャルプランナー井戸美枝さんに聞く「年金分割制度」

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更新日

横田頼子

離婚した時期によって、分割の仕方が変わる

では、実際に年金はどう分割されるのでしょうか。
年金分割には、「3号分割」と「合意分割」の2種類があります。

自動的に半分に分割される「3号分割」

2008年4月1日以降に離婚したり、婚姻期間があり、夫婦のどちらか一方に第3号被保険者の期間(会社員や公務員に扶養されていた期間)がある場合は、相手の同意がなくても婚姻期間中の厚生年金の半分を分割で受けとれます。第3号被保険者が対象なので、「3号分割」と呼ばれます。

分割の割合は5割と決まっていて、事実婚でも請求が可能です。

話し合いで分割割合が決まる「合意分割」

2008年4月1日以前に離婚したり、婚姻期間がある場合は、「年金を分割するかどうか」と「分割の割合」を話し合って、合意すると年金が分割されます。

夫婦共働きでふたりとも厚生年金に加入していた場合も、婚姻期間の全期間を合意分割で年金分割します。婚姻中の厚生年金を比較して、厚生年金が多い方から少ない方へ分割するかたちになります。

分割の割合は、上限5割まで。話し合いで合意に達しないときは、家庭裁判所の調停、または審判によって決定されます。

たとえば……
1993年に、夫28歳(厚生年金加入6年目)、妻22歳(専業主婦・厚生年金加入歴なし)で結婚。2023年に離婚した場合

分割の対象:夫の28~58歳までの厚生年金

分割の割合:1993年~2008年4月まで、合意分割(話し合いによる合意が必要)
      2008年4月以降~2023年まで、3号分割(合意がなくても5割を分割)

※実際の年金分割では、年金額計算のもとになる「保険料納付記録」を分割します。たとえば、夫が会社員、妻が専業主婦の場合、婚姻期間中の夫の厚生年金の納付記録を分割して、妻の記録につけかえます。

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