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【医師チャ・ジョンスク】大ヒット! 夫(キム・ビョンチョル)がクズなのにコミカルな名演技でなぜか憎めない。5〜8話レビュー【韓国ドラマ】

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marumi

マチュア世代が全力で応援したくなるドラマがいま、話題です。20年間の専業主婦生活を経て、ある出来事をきっかけに、1年目のレジデント(研修医)に挑戦する女性の物語。韓国ドラマ『医師チャ・ジョンスク』は、2023年4月からNetflixで独占配信中。全16話のうちの、5〜8話について紹介しましょう。(ネタバレを含みます)

★1〜4のレビューはこちら★

【医師チャ・ジョンスク】にハマる人続々!胸がスカッとして元気になれる!1〜4話レビュー【韓国ドラマ】

46歳“中年オバさん”が、夫の目の前で、年下イケメンの厚くて広い胸にギュッと抱き締められる‼には理由がある——それをひも解く5~8話。

夫婦、親子、嫁姑、不倫、恋愛、仕事、友情、受験……。だれもが身につまされそうなさまざまな要素がてんこ盛りでお腹いっぱいになりそうなところ、緻密な脚本と演者のスキルの高さで、サクサク見ていけるのがこのドラマだ。

専業主婦として生きた20年のブランクを経て、レジデントとして働き始めた医師チャ・ジョンスク(オム・ジョンファ)。さまざまな患者と、その人生に向き合う日々が始まる。

VIP病棟に入院したが、人工肛門になる可能性のある手術を拒否し、心停止に陥る会長職の男性。懸命に蘇生措置を施したジョンスクは「私も心停止した経験があるんです。どうか悔いのない人生を送って」とおだやかに励ます。お金は持っていても孤独な老人に、ジョンスクはまるで家族のように寄り添う。

DⅤ夫を殺害した無期懲役囚の女性。がんのため、刑執行が停止されるが、治療を拒む。しかし、死ぬ前に生き別れた娘に一目会いたい、という本心を知ったジョンスクはみずからの足で娘を探し出し、母と再会させる。娘を愛しく思う母の気持ちが、2人の子の母であるジョンスクには痛いほど理解できた。

病気を悲観する新婚の夫。飛び降り自殺を図ろうとするが、ジョンスクの説得で命を救われる。「あなたのつらさはあなたにしかわかりません。でも、生きることは思っている以上に美しいんです」。自身も大きな病気を経験したジョンスクだからこそ語れる言葉だ、患者の手にそっと手を添えるジョンスクの、まるで母のような姿にジーンとくる。

20年間、家族のために尽くしてきた中年“オバさん”医師だからこそ、患者の病気だけでなく、その人が生きてきた背景や抱える悩みもいっしょに診て、寄り添える。あるべき医師の姿を、懸命に実践していくジョンスク。「いい医師になりたい」という夢に向けて、数々の失敗を経験しながらも立ち上がる姿には、きっと勇気がもらえる。「どんなことがあっても、医師を辞めずにがんばれ!」と応援したくなる。

そんなジョンスクの病院での活躍ぶりをいまいましく思うのが、夫のソ・イノ(キム・ビョンチョル)。ジョンスクとも医学部同期である医師チェ・スンヒ(ミョン・セビン)との不倫関係がバレやしないかとビクビクしながらも、逢瀬はやめられない。しかも、スンヒがシングルで育てる一人娘は、イノの子どもだったのだ。まったくもっての“クソ野郎”っぷり。なのだが、コミカルな秀逸演技でなぜか憎めない。

一方、ジョンスクの担当医でもあり、同じ病院で働くイケメン医師のロイ・キム(ミン・ウヒョク)は、ジョンスクの健気に働く姿や人間味あふれる笑顔を好ましく感じ、ときに気遣い、サポートしていた。「ぼくたち、友だちになりませんか? ラポール(医師と患者)ではなく、友だち」——そう言って、ジョンスクを見つめるロイ先生のやさしいまなざし(アップ多め)がたまりません。自分が見つめられているかと勝手に錯覚します(笑)。

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