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一度は行ってみたいお城【シェーンブルン宮殿】女帝マリア・テレジアが初恋の夫と過ごす。当時は珍しい恋愛結婚だった

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鷹橋 忍

会議は踊る、されど進まず

マリア・テレジアの没後、シェーンブルン宮殿は、数々の歴史の舞台となっています。

フランス皇帝ナポレオン1世(1769~1821)は、1805年と1809年のオーストリア遠征においてウィーンを占領し、シェーンブルン宮殿に司令部を置き、居城としました。

そのナポレオンが失脚すると、ナポレオンによって混乱したヨーロッパの秩序を回復するために開催された「ウィーン会議」で、大広間が舞踏会の会場となりました。このとき、舞踏会や祝宴が連日のように催されましたが、各国の代表の意見は纏まらず、「会議は踊る、されど進まず」という名言が生まれています。

1961年には、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領と旧ソ連のフルシチョフ閣僚会議議長の会談も、行なわれました。

世界遺産に登録され、ウィーン観光の目玉に

現在、シェーンブルン宮殿では、1441室もある部屋のうち、幼いモーツァルトがマリア・テレジアの前でピアノを演奏した「鏡の間」、マリー・アントワネットが使っていた部屋など、約40室が一般公開されています(世界遺産オンラインガイド)。

敷地内には、現存する世界最古の動物園や、その名の通り宮廷で使われた豪華な馬車や馬具などを展示する「宮廷馬車博物館」や、「宮廷劇場」などがあります。

宮殿の建物と広大で美しい庭園は、1996年に「シェーンブルン宮殿と庭園群」として、世界文化遺産に登録されました。

ウィーンの人々が親しみを込めて『マリア・テレジア・イエロー』と呼ぶ黄色で塗られた宮殿と緑鮮やかな庭園は人気を博し、多くの人々が訪れるウィーン観光の目玉となっています。

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