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50代からの老後不安の解消法。貯金200万円でも心配しないで! 井戸美枝さんのアドバイス

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横田頼子

「老後のお金」に不安を抱いている人は、少なくないと思います。その“不安”を、いま解消しませんか? 「給料が上がるわけじゃないし、どうにもならないのでは」と思っているとしたら、そんなことはありません、方法はあるんです! ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんに教えていただきましょう。

【マチュア世代の悩み】
「50代ですが、貯蓄が200万円しかありません。今から老後に2000万円を準備するのはムリなので、不安ばかり募ります。何から始めればいいでしょうか」

【井戸美枝さんのアドバイス】
「2000万円の数字に振り回されないで! まずは、自分の家計を知って貯蓄を増やすことから始めましょう」

2000万円はあくまでもモデルケース

4年前、金融庁が「老後は年金だけでは2000万円不足する」というショッキングな試算を公表してから、「老後資金は2000万円必要」という数字が広く認知されるようになりました。でも、そもそもこの数字は、平均的な高齢無職夫婦の年金から支出を引くと、毎月約5万5000円の赤字になり、老後30年間で約2000万円必要になる、というモデルケース。実際には、人それぞれ支出も違いますし、もらえる年金の額も違うのですから、あくまでも一つの試算に過ぎません。

しかも、仮に2000万円必要だとしても、老後に一気にかかるわけでもありません。長い老後のあいだに徐々に取り崩していく合計額ですから、リタイア時に全額貯められなくても、それ以降の対応次第で十分暮らしていけます。たとえば、月5万円の赤字なら、5万円分働けばいいだけ。年間で60万円、10年働けば600万円になり、その分必要な資金は減少します。

もちろん、病気で働けなくなったときなどの備えは必要ですが、「2000万円」という数字に振り回されるのはもうやめましょう。50代はまだまだ若く、いろいろなところに旅行したり、新しいことにチャレンジも楽しめる年代です。なのに、不安に陥ってもんもんと過ごすのはもったいない!

むやみな不安から解放されるために、まずは、自分の家計を把握することから始めてください。そして、今から少しでも貯蓄を増やすために行動を起こしましょう。老後準備のスタートは、そこからです。

見直せば、月2万円の出費カットも可能

今、自分の生活費がいくらかっているか、知っていますか?

貯蓄が少ない人ほど、毎月自分がどれだけお金を使っているのか、わかっていない人が多いようです。毎月の支出をざっくりでいいので、書き出してみましょう。口座やカードの引き落とし記録を見直せば、だいたいの支出はつかめます。

書き出して整理すると、自分のお金の使い方の傾向が見え、ムダづかいに気づきやすくなります。収入に対して赤字だったり、思ったより支出が多いなら、どうすればその赤字が少しでも減らせるか、考えてみてください。

ただし、「外食はガマンする」とか、「トイレの便座のスイッチをこまめに切る」とか、日々の生活でストレスを伴う節約は禁物! がんばるほどしんどくなり、気持ちが沈んで長続きしません。成功の秘訣は、削ってもストレスにならない支出を見直すこと。具体的には、固定費の見直しが狙い目です。

たとえば、電気代が高いなら、電気会社やプランを見直すだけで出費が減らせる可能性があります。スマホ代も、自宅や勤務先でWi-Fiが使えて、外であまりネットを見ないなら、契約ギガ数を減らせば料金はダウン。さらに、大手キャリアを利用中なら、セカンドブランドや格安スマホに変えるだけで負担は軽減できます。

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