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【60代の住み替え】老後を見据えて戸建てからコンパクトなマンションに。ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さんの実例[後編]

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ゆうゆう編集部

夫婦ふたりの老後を見据えて、広い一軒家からコンパクトなマンションに転居したファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。その経験からわかった、失敗のない住み替えのヒントをお話いただきました。

前編は 【60代の住み替え】老後を見据えて戸建てからコンパクトなマンションに。ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さんの実例[前編]をご覧ください。

PROFILE
井戸美枝
いど・みえ●井戸美枝事務所代表。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士として相談業務、講演、執筆活動を行う。『親の終活、夫婦の老活インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など、著書多数。マチュアリストにて「老後のお金不安はいまから解消!」を連載中。

井戸さんが住み替えてわかった失敗を減らす住み替えのヒント

「住み替えは予想外のことの連続でした」と話す井戸さんが、自身の体験を基に、転居先のチェックポイントをアドバイス! 今の家に住み続ける人も、老後の準備に役立つはず。

引っ越し先について「平地・介護施設・病院の有無」をチェック

高齢になると、ゆるやかな坂でも転びやすくなります。 ましてや慣れない場所では、リスクが急上昇。夫の転倒を経験して、高齢期の住まいは、「景色がきれいな高台より、安全な平地がいい」と実感しました。

家の近くに病院があると、急に具合が悪くなっても駆け込めるし、通院もラク。 今の家は、デイサービスも頼める特別養護老人ホームが近くにあって、要介護になっても安心です。 元気なうちに特養のボランティアスタッフとして働かせてもらい、内部の様子を直に見たいと思っています。

夫婦それぞれ、老後の居場所があるか

夫婦が自宅で過ごすことが多くなる定年後は、お互い気持ちよく過ごすために、ある程度の距離を保てることが大事。 転居先を選ぶときは、それぞれが好きなことを楽しめる場所が近くにあるかも大事です。

わが家は、夫は毎日歩いて10分ほどの図書館に通い、私は近くの市立体育館で運動したり、高台で森林浴を楽しんだり。 地元のラジオ体操グループなどにも参加したので、結構忙しいです(笑)。

「30~36平米」の暮らしに向けてモノを減らす

長年暮らしてきた家には膨大な量のモノが蓄積していて、整理にはかなりのパワーが必要でした。 住み替えを考えているなら、今すぐ家財の整理を始めましょう。 最終的に、老人ホームの標準的な部屋の広さ30~36平米に入る量の家財が、1人当たりの目標です。

私は一度目の転居で身軽になったおかげで、次の転居先をすぐ考えられ、実行できました。 いつまでも古いモノや過去に引きずられるより、老後という新しい人生の始まりを前に身軽になっておきましょう。

自家用車がなくても日常生活に困らないか

住み替え先は、将来まで見通して選ぶのが鉄則。 今はどこへでも車で出かけている人も、将来の免許返納を想定して、暮らしをシミュレーションしてみましょう。

普段買い物に行くスーパーやドラッグストアは徒歩圏内か、郵便局、病院などはどうか。 読書が趣味なら図書館、運動が好きならジムや体育館など、老後に自分が利用したい施設への交通の便はいいか。 事前にリストを作ってチェックしておけば、高齢期に「こんなはずじゃなかった」と後悔することを防げます。

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