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横田頼子

火災・地震保険

老後を安心して過ごすために、自宅の万一に備える火災・地震保険も欠かせません。

地震保険は、単独では加入できず、火災保険とセットで入ります。地震大国の日本はどこで被災してもおかしくないので、加入しておくと安心です。

ただし、地震保険の補償額は、火災保険の30~50%と少なめ(建物は5000万円、家財は1000万円が限度額)なので多大な期待は禁物。生活を立て直すための資金と考えておきましょう。

見直しポイント

水害、盗難など

火災保険には、住宅を取り巻くさまざまなリスクを補償する「住宅総合保険」と、ベーシックな補償のみの「住宅火災保険」があり、どちらも、火災、落雷、ガス爆発などの破裂・爆発、風災、ひょう災、雪災などによる被害に保険金が出ます。

注意したいのは「水災」で、住宅総合保険は補償の対象ですが、住宅火災保険では補償されません。盗難も対象外です。住宅火災の保険に入っている人で、最近増えているゲリラ豪雨や大雨などで浸水しやすい地域に住んでいる人、盗難が気になる人は、住宅総合保険へのかけかえを検討しましょう。

住宅総合保険は、給排水設備の事故等による水漏れなども補償してくれます。

医療保険

医療保険に入るとき、「保障が厚いほど安心」とさまざまな特約をつける人もいると思います。でも、保障が厚くなれば、それだけ保険料はアップ。

日本は健康保険が整っているので、医療費が一定以上かかると、公的医療保険の「高額療養費制度」で限度額以上はかかりません。民間の医療保険は、入院にともなう諸経費(差額ベッド料、食事代、親族付き添い費用など)、高度先進医療を受けたときの技術料など、公的保険の対象外の費用をまかなうものと考えましょう。

見直しポイント

保険料

医療保険の保障が厚すぎたり、さまざまな特約をつけて高くなっている場合は、保障額を減額したり、ムダな保障は解約しましょう。保証内容も合わせて確認します。年金生活に入ってからも払える保険料かどうか、年金額と照らし合わせて「出せる額」から絞り込むのも一案です。

また、貯蓄があれば、医療費はそこからまかなうことも可能。特におひとりさまの場合、医療保険の請求手続きを頼める人がいないなら、貯蓄の方が安心な場合もあります。

医療保険にかけかえる場合は、入院と手術だけを保障するシンプルなものを選ぶのもいいでしょう。かけすての医療保険なら、保険料も割安です。

医療特約

夫の終身保険の特約で、妻の医療保障を確保している人もいるでしょう。ただ、保障額は夫の保障の6割。夫の入院日額が5000円なら、3000円です。保険料に対して保障額が少なすぎるなら、妻はかけすての医療保険に入るか、貯蓄で備えることを検討してみてください。

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