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【ひとり暮らしのお宅拝見】小さな生活道具店ecru店主・桐野恵美さん「望んでいた自由を得た分、ひとりで生きていく覚悟は必要だと思っています」

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ゆうゆう編集部

使わないものを手放して小さく、始末よく

家の間取りは、6畳の和室が2間と4畳半。どの部屋も家具は少なめ。ゆったりとした空間に、桐野さんが集めた家具や雑貨が美しくディスプレイされている。

「家具や道具類は、20代から買い集めてきたものや友人から譲ってもらったもの、両親が生前使っていたものがほとんど。新しく買ったものはほぼありません。たまに、『出所はバラバラなのに、何で全部なじんでいるの?』と聞かれるのですが、それはきっと私の好みの幅が狭いから。子どもの頃から好みがはっきりしていて、実家で使っていたオールドノリタケの食器やアルミの両手鍋などを、『なんかいいな』と眺めていたのを覚えています」

身の回りにあるのは、セレクトした好きなものだけ。そこには、「家族に迷惑をかけたくない」という思いもあるという。

「家族は妹だけなので、私が死んだら彼女が遺品を整理することになりますよね。大変な思いはさせたくないし、『お姉ちゃん、こんなもの持ってたの⁉』なんて思われたら嫌じゃないですか(笑)。引っ越しの際に見直して、かなりの量を手放しました。今も使わなくなったら人にあげたり、リサイクルに出したりして循環を心がけています。始末よく、小さく暮らしていけたらいいですね」

家にテレビはなく、音楽を聴きながら静かに過ごす時間が多いそう。

寝室は暑い時期は窓際にするなど、季節によってベッドの配置を変えている。

学生時代に使っていた勉強机は、今も現役。「当時はかわいい机がよかったけど、今となっては親に感謝」

海から帰宅した際に外から直行するためのドアがついた浴室は、海辺の町の家ならでは。

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