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【親の介護】が始まったら、まずやることは? 初心者のためのQ&A

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ゆうゆう編集部

Q 介護者が倒れてしまった場合、介護されている人はどうなりますか?

介護者が病気やケガで急に介護ができなくなる場合もある。

「緊急の場合、24時間介護を受けられる施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設など)の緊急ショートステイを利用する方法があります。ケアマネジャーに相談を。経済的に余裕があれば、介護保険外ですが、介護付き有料老人ホームのショートステイを使う方法もあります」

ただ、施設で過ごすことを嫌がる親は多い。

「要介護3以上になったら、一度ショートステイを利用しておくのがおすすめ。親には『私が倒れたら面倒を見てくれる人がいないのよ。試しに一度利用してみよう』などと、すすめてみましょう。利用には施設との契約や負担限度額認定証の申請など、手続きが必要なので、一度利用しておくと緊急ショートステイを利用するときにスムーズです」

介護保険外の民間のヘルパーサービスを使う方法もある。

「状況に応じてオーダーメイド型の依頼ができます。1時間2000~3000円の費用はかかりますが、それで乗り切れることもあります。こちらも要介護3以上になったら、試しておくといいですね」

小規模多機能型居宅介護を知っていますか?

小規模多機能型居宅介護は、「通い・訪問・泊まり」の3つを一つの事業所で利用できる介護サービス。

「状況に応じ、3つを組み合わせて利用できます。介護者の急病時なども泊まりを利用できます。ただすでに介護保険サービスを利用している場合、これまで担当してくれたケアマネジャーやヘルパーを、小規模多機能の事業所に変更しなければなりません。利用を考えるなら、事前に見学しておくといいでしょう」

地域密着型のサービスで、利用は居住地域の施設が原則。料金は定額制で要介護度によって異なる。その点も確認しておきたい。

Q 親の在宅介護で仕事を辞めたくありません

「仕事は辞めず両立してください。仕事を辞めると精神的・肉体的・経済的な負担が増します。一日中介護の生活が続き、親と一緒に家に引きこもることになれば共倒れにもなりかねません」

介護と仕事を両立しようと、一人で抱えすぎていることも多いという。

「ケアマネジャーに相談し、介護者の働き方、関わり方を反映させたケアプランを考えましょう。介護サービスを活用し、プロの手を積極的に借りる意識が大切です。職場にも伝え、介護休業制度などの活用方法を考えます。介護保険サービスと職場の支援制度の両輪で両立を目指すことができます」

介護休業制度の中には介護休業と介護休暇がある。介護休業は介護される家族1人につき通算93日、3回まで分割してとれる。介護休暇は1年度に5日、1時間単位でもとれる。

「介護休業は介護導入期の準備段階に使い、介護休暇はケアマネジャーとの面談や通院のつき添いに使うなど、状況に応じて使い分けを」

認知症の介護については「認知症の人と家族の会」や社会福祉協議会にも相談窓口があるので、複数の相談窓口を活用するのもおすすめだ。

取材・文/田﨑佳子

※この記事は「ゆうゆう」2023年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。



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