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【ガーデニング】鉢植えは土が決め手。見違えるように花が咲く!用土の基礎知識

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光武俊子

植物を育てるとき、私たちはつい目に見える部分に気をとられがちですが、植物の成長は目に見えない根に支えられています。とくに鉢植えは限られたスペースで根が活動しなければならないので、用土の役割がとても大切! 根が快適にいられる用土で植物を元気に育て、花をいっぱい咲かせましょう。

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土は通気性と排水性のよい団粒構造が大事

植物は根によって体を支え、土中の水分や養分を吸収、呼吸をしています。そこで、重要になるのが用土の通気性と排水性。通気性がよいと、水やりのたびに新鮮な空気が根に供給されます。水はけがよいと土は乾き、水を求める根がよく伸びます。

この通気性や排水性を保つのは土の粒子のすき間です。粉のように細かい粒子ではすき間のない単粒構造になってしまうのを、粒子を集めて大きな粒に結びつけた団粒構造にすると、用土にすき間ができて根は元気に活動できます。

単粒を結びつけて団粒にするのは、落ち葉や枯れ枝などが土壌の微生物によって分解された堆肥(たいひ)など、腐植質(ふしょくしつ)という物質。そこで、庭や花壇では土をよく耕して、堆肥などを混ぜることで土壌を団粒構造にします。 →「冬の土づくり」参照

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庭と鉢植えの土の違いとは!?

鉢やプランターなどでも庭や花壇と同じに、土は団粒構造が大切。ただし、庭では水やりがほとんど必要ないのに対して、鉢植えは水やりを頻繫にするため団粒構造が崩れやすく、粒子のすき間がなくなりがちです。さらに鉢などの容器内は湿気が溜まりやすいため、庭土以上に排水性が求められます。

このように庭と鉢では条件が異なるので、「うちの庭は草花がよく育つから」といって庭土を鉢に入れても、鉢栽培はうまくいきません。鉢栽培には団粒構造が崩れにくく、排水性に優れた市販の培養土を用いましょう。

培養土は基本用土の赤玉土(*1)などに通気性や排水性をよくする腐葉土(*2)などをブレンドしたもので、そのまますぐに使えて手軽です。草花用や野菜用のほか、弱酸性の土を好むサツキやブルーベリー用に酸度調整されたもの、通気や排水性に特に優れた多肉植物用、肥料分をふくまないタネまきや挿し木用など、さまざまな種類があります。

タネまき用

多肉植物用

市販の培養土をアレンジしてみる

ただ、市販の培養土は種類が豊富すぎて15ℓで300円前後から4000円以上のものまであり、どれがよいのかわからないと感じませんか。重さもさまざまで何を基準に選んでよいのか悩みます。ベランダガーデナーなどは限られた数の鉢栽培ですから、いろいろなタイプを試してみるのも難しいですよね。

私自身がそんな悩みを抱えていたとき、ある園芸研究家の方から教えていただいたのは、低価格の培養土でも腐葉土をブレンドすることで、培養土の品質が平均化されるということでした。腐葉土が培養土の中にすき間をつくり、通気性や排水性を向上させます。混ぜる腐葉土は1割まで。多すぎると用土が乾きやすくなって、水やりの手間がかかるので気をつけましょう。

また、用土の質を見極める方法として、少し湿らせた用土を手で握ると一旦は形になるものの、指で突くとすぐに崩れるくらいがよいともいわれます。手で握っても形にならないほどサラサラだったり、指で突いても崩れないほど粘り気のあるものは、おすすめできません。

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