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直木賞受賞作、河﨑秋子さんの『ともぐい』。「新たなる熊文学」と話題になったその内容とは?

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ゆうゆう編集部

熊の「赤毛」と相棒の犬は圧倒的な人気キャラ

大学時代は文芸サークルに所属し、小説を書いていた。しかし、「自分の小説はつまらない」と感じ、卒業後はニュージーランドで綿羊の飼育技術を学んで地元に戻り、羊飼いとなる。4年前に羊飼いを卒業し専業作家となるが、北海道での生活は継続中だ。

休日にはソロキャンプで肉を焼き、自宅ではV‌R(バーチャルリアリティ)ゴーグルを使ったゲームで飛んでくるモノをぶったぎる。東京に来ると「人間の密度が高すぎて、調子が狂う」と、熊爪のようなことを言う。熊爪のキャラクターはご自身の投影でもあるのだろうか?

「それはないですね。わかり合える部分もありますが、ほとんど理解できず『このヤロー』って思うことも多かったです」

雑誌「ゆうゆう」編集部では、熊の「赤毛」がかっこいいと人気だ。

「やはりそうですか。赤毛と犬が人気を二分している感じで、人間はあまり評判よくないです(笑)」

令和の時代を生きる読者は、本書をどう楽しめばいいのだろう。

「まったくの異世界に飛び込んで、未知の世界に触れる楽しさを味わってほしい。マイナス20度の森での狩猟を、バーチャル体験してみてください。あ、冒頭で熊爪が解体した鹿の肝臓を生で食べる場面がありますが、肝炎を起こす可能性があるので絶対にまねしないでくださいね」

たぶん、絶対にまねできません。

写真提供/新潮社

PROFILE
河﨑秋子

かわさき・あきこ●1979年北海道生まれ。大学卒業後は実家で酪農を手伝いながら綿羊の飼育と出荷を担う。
2014年『颶風の王』で三浦綾子文学賞受賞、19年『肉弾』で大藪春彦賞受賞、20年『土に贖う』で新田次郎文学賞受賞

※この記事は「ゆうゆう」2024年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。


取材・文/神 素子 

ゆうゆう2024年5月号

今月の特集は「モノがあっても心地いい家」がテーマです。3つの実例では、思い出の品や捨てられないモノをセンス良く配置するコツを拝見。また、収納のプロには、今あるモノをすっきり見せる&しまうコツを教えてもらいました。どのコツも、ちょっとした工夫で見た目の印象がガラリと変わるものばかり。やってみよう、と思ったらさっそく実践を。

もう一つの特集テーマは「何歳からでもできる! 一生歩ける体のつくり方」。いつまで若々しい由美かおるさんの毎日習慣の他、心まで前向きになる「ポジティブウォーキング」、無理なくできて筋肉を育てる「ちょいトレ」をご紹介。外歩きが気持ちいい季節、前を向いて颯爽と、歩いてみませんか。

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