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【25歳・奇跡の長寿猫】が波乱万丈の人生を変えてくれた。その物語とは?

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マチュアリスト編集部

そこから順調に作家活動は続き、著作物は100冊を越えた。みけちゃんの弟となる猫2匹が増え、2021年には憧れであった江戸時代後期建築の古民家に越した。庭で季節ごとの花を育てながら猫たちとの平穏の日々。そんな中で知人から勧められて始めたインスタグラムで「我が子かわいさ」に投稿した動画が、冒頭のみけちゃんの姿だった。

ここからさらに村上さんに人生にまさかの転機が訪れる。「村上家の長女みけ」は「シニア猫の星」「奇跡の健康体」としてさまざまなマスコミから取材が引きも切らず。村上さんの人生は賑やかになった。

「元々あたしが主役デビューしたかったのにゃわ」と、みけちゃんは思っているかもしれない。とはいえ、さすがに25歳である。18歳でてんかん発作が始まり、今は夜中に何度も起きておむつを替えなくてはならない介護の日々だ。そしていつか「その日」が訪れることを村上さんは理解している。だからこそ「あなたと生きる一日一日が愛おしい」のだ。

インスタグラムでは、古民家から毎朝届く「おはようにゃわ」というみけちゃんの挨拶を、実に6万人近くの人が待っている。「普通に生きているだけ」の1匹の猫の姿は、命の尊さを伝えてくれ、多くの人の勇気となる。そこには村上さんの幸せもある。1日でもこの挨拶が長く続きますように、と祈らずにはいられない。

みけちゃんの飼い主 
村上しいこさんのプロフィール

猫好き児童文学作家。三重県生まれ。『かめきちのおまかせ自由研究』(岩崎書店)で第37回日本児童文学者協会新人賞、『れいぞうこのなつやすみ』(PHP研究所)で第17回ひろすけ童話賞を受賞、2015年に『うたうとは小さないのちひろいあげ』(講談社)で第53回野間児童文芸賞を受賞、『なりたいわたし』(フレーベル館)で第70回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。著書多数。
【村上しいこInstagram】
https://www.instagram.com/shiiko222/

子猫時代の写真提供/村上しいこさん 撮影/奥山美奈子 取材・文/森信千夏

25歳のみけちゃん

村上しいこ著
主婦の友社刊

人間なら116歳の超長寿猫みけちゃん。
歯がぜんぶありカリカリも食べ、おむつ姿ながら机に飛び上がったりと元気いっぱい。その姿がSNSに登場すると「勇気をもらえる」「尊い」とたちまち注目を集め「シニア猫の希望の星」と有名になりました。
飼い主は児童文学作家の村上しいこさん。本書は、江戸時代建築の古民家で弟猫2匹と暮らすみけちゃんの日々をつづったフォトエッセイ。24年前、突然村上さんのアパートの部屋に入ってきた三毛猫は、推定1歳で大きな傷を負っていました。その日からの様々なエピソードが村上さんの軽妙な筆致でつづられます。
かわいいみけちゃんの写真も満載。エサの種類や与え方、ケアの方法、持病のようすなども詳細に書かれているのでシニアペットと暮らす方にもおすすめ。波乱万丈のドラマはありませんが「あたしは普通に生きてるだけにゃわ」というみけちゃんと暮らす1日1日が、愛おしく、ありがたいと心に響く一冊です。

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