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【追悼・25歳のみけちゃん】人間なら116歳の奇跡の猫逝く・編集担当が語る取材秘話

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マチュアリスト編集部

奇跡の長寿猫の新刊『25歳のみけちゃん』が話題になったのは、つい先日、4月のことです。みけちゃんが5月末、虹の橋を渡りました。ペットを亡くしたことのある方は経験のある、悲しさと寂しさ……。編集担当者の追悼記をお届けします。

4月に発売した『25歳のみけちゃん』の主人公である三毛猫の村上みけちゃんが、5月27日に亡くなりました。
享年25歳と6カ月。あと数日で25歳と7カ月になるはずでした。

著者であり、飼い主である村上しいこさんによると、亡くなる当日は夕方まで普通に過ごしていて、エサもおやつのちゅ~るも食べ、部屋のウォーキングもしていたようですが、夕方に容体が急変、深夜に家族に見守られながら息を引き取ったとのことです。

人間の年齢でいうと116歳(一説だとそれ以上とも)のみけちゃん。

気圧の変化で体調を崩すことが多く、折りしもこの日はみけちゃんが暮らす街に台風が接近中。2キロに満たない小さな体の小さな心臓には過酷な気象でした。不穏な激しい風に押され、いつものようにテーブルにひょいっと昇るくらい身軽に、お空に舞い上がってしまったのでしょうか。

インスタグラムから届く、「おはようにゃの」というみけちゃんの朝の挨拶を聞けなくなり、毎日寂しくてたまりません。

みけちゃんのインスタグラムはスタートからわずか半年で、6万人のフォロワーを集め、多くの方が毎朝のみけちゃんの元気な姿と、かあちゃん(村上さん)との軽妙な会話を楽しみました。

みけちゃんの訃報が載った日と翌日のインスタグラムには、合わせて11万人が訪れ、
「みけちゃんは憧れの希望の星でした。元気なお姿にたくさん励まされました」
「立派に生き抜いたみけちゃんは本当にすごい」
「勇気をありがとうございました」
など5千件を超すコメントが寄せられました。

村上さんの悲しみにも寄り添い、体調を気遣うコメントも多く、フォロワー全員がみけちゃんの家族の一員として愛しく思ってくださっていることに胸を打たれました。

撮影時のオフショット。みけちゃんを驚かせないようスタッフ全員静かに入室し、撮影をしていたのですが、みけちゃんは悠揚迫らぬようす。堂々とカメラレンズを見つめてくれました。

みけちゃんが筆者のインスタグラムに突然現れたのは、2023年の11月1日のこと。かわいいドレスを着た三毛猫がテーブルに身軽に飛び乗り、トーストに塗ったバターをペロペロ舐めていて、そこに「ハッピーバースデー 25歳になりました」というテロップが。60万人以上が釘付けになった衝撃の動画でした。

その姿に一目惚れをした私は、すぐに書籍の企画化へ動くことに。

思えば24年前村上さんの前に突然現れたように、みけちゃんは筆者を選んで「あたしの本を作ってにゃわ」と、華麗なジャンプ姿で現れてくれたのかもしれません。「かあちゃん父ちゃん弟たちとの暮らしを多くの人に伝えるとよいにゃわ」と。

すぐに村上さんに連絡をとり、初めてお目にかかったのが11月8日。みけちゃんを主役にしたインスタがスタートしたのが11月10日。撮影と取材で村上さんのお宅に伺い、みけちゃんに初めて会ったのが12月15日でした。

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