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朝ドラ【らんまん】変人と天才の微笑ましい匍匐前進。「笑い」と「高揚感」を両輪で回す脚本と演出の巧みさ

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田幸和歌子

一方、対比として描かれるのは、万太郎の当主としての自覚のなさに不安を抱き、万太郎の退学を申し出たタキ。そこで蘭光は明治新政府が小学校を開校させるため、学問所は廃止になり、自身も去ると告げ、万太郎はひどく落ち込む。その姿を見たタキは、その思いを学問への関心ではなく「男親の代わり」と解釈するのが切ない。

そして、学問所は廃止され、小学校が開校した。しかし、高度な学問に触れてきた万太郎にとって、小学校の授業は簡単すぎてつまらないため、植物図を見たり、校庭の草花に夢中になったりしていると、先生に厳しく注意される。万太郎は周りの子たちを気遣ってか、英語で授業がつまらない、もっと面白いことが知りたいと伝えるが、英語がわからない先生にはバカにしたと思われ、出て行けと言われる。そこで「わかりました! ほんならやめます!」と史実通り小学校を中退するのだった。

朝ドラで「笑い」を意図的にとろうとすると、芸人ワラワラ登場のコテコテ演出や、ドヤ感たっぷりのドタバタ展開になりがちだ。しかし、本作では「笑い」と「高揚感」を見事に両輪で回す脚本・演出の巧みさが光った第2週。

ラストでは本役・神木隆之介へバトンタッチしたが、新しい本を求めて走る姿――身体能力は高くなさそうなのに、思い(狂気)が先走って速度は出ていそうな背筋の伸びた走り方に、知識は増えても根っこが変わっていない「万太郎」を見て、第3週が楽しみになった。

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