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養老孟司さんが説く『ものがわかるということ』。わかった気になっていることのなんと多いことだろう!

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ゆうゆう編集部

日頃「わかった」つもりになっているあんなことやこんなこと。果たして本当にそうなのでしょうか? 養老孟司さんが、自然や解剖の世界で触れ学んだこと、ものの見方や考え方、脳と心の関係について解説した新刊。『ものがわかるということ』をご紹介します。

『ものがわかるということ』
養老孟司著
「わかる」とはどういうことなのか、それが「わからない」。じゃあ説明してみましょうか、と始まった本書。読み進めるほどに、一つずつ思い込みが壊されていく。祥伝社 1760円

身体を伴って理解することが大事です

「もの」や「自分」をわかるとはどういうことかに始まり、世間や他人とどうつき合うかなど、多方面から「わかる」ということについて説かれている本書。気づかされるのは、これまで「当たり前」と思っていたことが、いかに情報社会の影響を受けた結果であるかということ。「ああすれば、こうなる」と頭で考えて、わかった気になっていることのなんと多いことだろうか。

「人って、そういう動物なんです。むやみに脳が大きくなってしまったので、使わないと退化する。ものを考えるというのは、脳を退化させないために、とにかく動かしているという筋トレみたいなもので、ものすごくエネルギーを使っています。

「ああすれば、こうなる」と決めてかかるのは、日常生活を安定させようと、頭で考えて手続きするのが正しいとされているから。何か一つアクシデントが起こると不祥事だ、想定外だなどと騒ぎます。まるでAIがやるようなことしかやっていないからです。

でも、自分の一生を考えたって、理屈じゃないでしょう。理屈で考えて結婚している人はまずいないでしょう。そもそも気づいたら生まれていて、死ぬ日もわからない。それなのに、なぜきちんと考えて予定どおりにしようとするのか、そっちのほうがわからないですね」
と、養老孟司さん。「知っている」と「わかっている」は違う。身体を伴って理解することが大事だという。

つまり、知ることと、行うことは一体でなければいけない。これを陽明学で「知行合一(ちこうごういつ)」という。実際に体験してわかることと、頭の中だけでわかることには大きな違いがある。体験してわかることで、自分が変わり、自分が変わればものの見方も変わる。

「学習とは身につけることです。鼻についてはいけません」

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