私らしく生きる 50代からのマチュア世代に

人気記事ランキング 連載・特集

子育てが一段落。これからどう生きればよい? 坂東眞理子さんのすっきり人生相談

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

相談②
お金は、何歳まで自分で管理する?

70歳を過ぎてから体調が優れず、何度か入退院をしたので、同居の息子に私のお金の管理を任せていたら、知らないうちに孫の教育資金に使われていてショック! 「母さん、ボケたんじゃないの。使ってないよ」と言われましたが、絶対私のお金のはずなのに。高齢期のお金の管理について、坂東さんはどうお考えですか?
(72歳・無職)

身内とはなるべくお金の関わりをもたないほうがよいでしょう

自分の財産は最後まで自ら管理する覚悟が必要

大切な老後資金を孫の教育資金に使われてしまったとのことですが、そもそもお金の管理を息子に任せてしまったのが間違いでした。高齢期になり、お金の管理が面倒くさい、誰か信頼できる人に任せたいと思う気持ちは理解できます。ですが、そんな人はいないと思ったほうがいい。そして、自分に判断能力があるうちは「自分の財産は最後まで自分で管理する」という覚悟をもつことが必要だと、私は思います。

超低金利時代の今、投資などで運用して、少しでも老後資金を増やしたいと考える人もいるでしょう。でも自分でやるのは自信がないから、自分よりも知識や経験があるであろう子どもたちに任せたい……。そうした考えは捨てるべきです。若い人だって失敗することがありますから。自分が失敗したのであれば諦めもつくけれど、信頼して任せた人が失敗すると本当に悔しいし、納得できないという思いを抱えることになってしまいます。

今回の相談のように、家族の信頼関係を壊してしまうのがお金のトラブル。お金のことは家族·親類·友達より他人、専門家を利用するほうがトラブルを避けられます。特に身内とは、できるだけお金の関わりをもたないほうがいいと心得て。「お金の管理は自分でします」と表明し、相手に与えてもよいと思えるお金の範囲内でつき合うことです。

高齢期のお金の管理は、公的制度の活用を

本人に一定の判断能力がある場合【社会福祉協議会の「日常生活自立支援事業」】

日常的なお金の使い方に不安がある、通帳の管理が心配、届いた書類の手続きの仕方がわからない……そんな人をサポートしてくれるのが、社会福祉協議会による「日常生活自立支援事業」。軽度の認知症などであっても、本人に一定の判断能力があれば利用できる。

本人が認知症の場合【成年後見制度】

認知症などで判断能力が不十分な人の財産管理や、さまざまな契約・手続きを代理で行い、本人を援助するのが「成年後見制度」。家庭裁判所が成年後見人等を選任する「法定後見制度」、判断能力が十分なうちに本人が任意後見人を選ぶ「任意後見制度」がある。

【お知らせ】
『女性の覚悟』がオーディオブックに

大ヒット本『女性の覚悟』をプロの声優が朗読したオーディオブックが発売中。冒頭には、坂東さんからのスペシャルメッセージも入っています。音声なら、家事をしながらでも、楽しめます。1349円(主婦の友社/パンローリング)
詳しくはこちら。問 info@digigi.jp
試聴もできます!

※この記事は「ゆうゆう」2023年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

女性の覚悟

坂東眞理子著
主婦の友社刊

「50代、60代はまだまだ若い。可能性はいくらでもある。けれど責任をもって生きていくという覚悟が必要です」という坂東さんのエールがぎゅっと詰まった一冊。すぐにも実行できる、しなやかに人生を生き抜くための方法やヒントがいっぱいです。

詳細はこちら
この記事の執筆者

PICK UP 編集部ピックアップ