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和田秀樹さんがアドバイス「自由なセカンドライフは、我慢や羞恥心を捨てることから始まります」

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和田秀樹

「我慢」が必要な場面は多々ありますが、我慢だらけの人生は果たして幸せといえるのでしょうか? ここでは、「老後の不安がみるみるうちに消えていく」と話題の新刊『わたしの100歳地図 65歳を過ぎても幸せが続く鉄則』から、精神科医・和田秀樹さんのアドバイスをご紹介します。 

我慢と幸福のてんびん

これは、1960年代にスタンフォード大学の心理学者であるウォルター・ミシェル博士が4歳の幼稚園児に行った心理実験なのですが、「目の前にあるマシュマロを15分間食べるのを我慢できたら、2個にしてあげる」と言って立ち去り、それを我慢できるのかどうかをみるというものです。

このテストでは「目の前の欲求を我慢することで、将来の大きな成果を得る」という自制心をはかることが目的で、この能力の幼児期における発達を調査するためのものでした。

このテストを引き合いに出したのは、わたしたちは幼いころより、このような教育やしつけによって、「我慢する」ということを覚えていくので、多くの人たちはいま我慢すればあとでいいことがあると思っているわけです。

ただ、これはまだ若いうちには当てはまりますが、高齢になってくると我慢している間に病気になってしまったり、からだが動かなくなってしまったりするわけです。

それでも高齢者の実態としては、多くの人はいまを我慢したら幸せがあると思い、たとえば塩けの強いものや脂っこいもの、甘いものを控え、本当は食べたいのに我慢するなど、さまざまなことにブレーキをかけてしまいます。

食べたいものを我慢したからといって長生きできる保証はどこにもありません。確証のないもののために、一生懸命、我慢したり無理したりすることに意味はないのです。

もちろん重い病気を患い、制限しなければならない場合は、我慢が必要なこともあります。ただ、我慢ばかりしていると、幸福感を感じられないばかりか、自ら「老い」を早めることにもなりかねません。

おいしいものを食べるときや好きなことをしているときに人の前頭葉は活性化します。逆に我慢ばかりの生活をしていると、前頭葉の活性化がもたらされないので、脳の老化を早めてしまうことになるのです。食べたいものを食べておいしいと感じたり、好きなことをやって快く感じたりすることのほうが免疫機能も高めて、健康のためになります。

年を重ねれば重ねるほど、いまを楽しく幸せに生きることを大切にしたほうが、我慢などしなくともその先の幸せにつながっているということです。

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