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高齢の親にかける言葉の鉄則とは?小林弘幸先生が教えるコミュニケーション術

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雑誌「健康」編集部

関係回復が期待できない相手は、あいさつだけでやり過ごす

NG
×無言

NICE
◎「(できるだけにこやかに)こんにちは~」

●人間関係の悩みはストレスの大敵。残念な人と位置づけて冷静さをとり戻す
●元気なあいさつで自律神経を整える

身内やご近所、あるいは子どもの学校関係など、いろいろなコミュニティやネットワーク。そこには大勢の人が集まるので、がまんや考え方の違いが生まれ、関係性が悪くなることだってあります。

関係性の悪化は、大きなストレスになってしまいます。「がまんしてまでつなぎ止める人」「ストレスを感じてまで、属するネットワーク」は、自分のためにはなりません。コンディションをくずし、本来のパフォーマンスを発揮できなくなる原因になります。

どうしても切れない関係なのであれば、日光東照宮にある三猿をヒントにしましょう。「余計なものは見ざる・聞かざる・言わざる」というスタンスで、意識の中で線引きするのです。これを意識するだけで、自律神経のバランスはととのい、ストレスの半分以上が軽減されます。

ストレスで乱れた自律神経は、あえてにこやかにあいさつをすると、副交感神経が高まってととのいます。「こんにちは」「お先に失礼します」など一般的なあいさつだけで、少しの満足感とともにいやな気持ちから解放されます。

自律神経と話し方・伝え方の関係

スムーズな会話には、まず相手に伝わりやすい適切な言葉を選ぶ必要があり、相手の伝えたいことを正しく理解する必要があります。

一瞬のうちにこれを繰り返すのですから、即座に正しい言葉を選び、伝えることは非常に困難です。また発する言葉は、感情によってムラが生じます。イライラしているときはトゲのある言い方になったり、疲れているときに的はずれな返答をしてしまったりすることは、誰しも経験があると思います。

この言葉のムラには、自律神経が大きく関わってきます。交感神経と副交感神経が高まったベストの状態のときには血流も万全で、脳のすみずみまで血液が送り届けられて正しい言葉をチョイスできます。逆にバランスがくずれていると血流が悪化して集中力・決断力が落ちて、間違った話し方になってしまいます。

「話し方には気をつけているつもりだけど、いつも注意される」「自分が話し始めると周囲の空気が微妙になってしまう」などという人は、自律神経のバランスがくずれているのかもしれません。逆に、それを改善すれば話し方や人間関係も改善する可能性があります。

「口は災いのもと」でもありますが、「幸福のもと」にもなるのです。正しい「話し方」を自然とチョイスできるようになれば、コミュニケーションの行き違いはなくなっていきます。

そしてその「話し方」を身につけるには、技術として覚えるのではなく、健康で規則正しい生活を送り、自律神経をベストな状態に保てるように心がける。これがコミュニケーション力を高める一番の近道なのです。

PROFILE
小林弘幸先生
こばやし・ひろゆき●順天堂大学医学部教授。自律神経研究の第一人者として、自律神経と腸を整える健康な心と体を提案。順天堂医院に日本初の便秘外来を開設し、「腸のスペシャリスト」として、多数のメディアで活躍。『上機嫌の習慣』『自律神経の名医が考案した ぜったい幸せになる話し方・伝え方』(ともに主婦の友社)好評発売中。

※この記事は「健康」2023年夏号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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自律神経の名医が考案した ぜったい幸せになる話し方・伝え方

小林弘幸著
主婦の友社刊

悩まない、傷つかない、ストレスフリー。
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ストレスの9割は、人間関係とそこでくり広げられるコミュニケーションが要因です。話し方・伝え方は、そこで最も影響の大きなファクターといえるでしょう。

コロナ禍になり、在宅ワークが増え、会食やコンサート、スポーツ観戦などを今まで楽しんできたものへの行動制限にも取り組んできました。その結果、人と直接会う機会が極端に減り、コミュニケーション不足によって、自律神経の乱れはさらに大きくなってしまいました。

コミュニケーションの重要性をつくづく実感した今こそ、お互いに「しあわせになる話し方・伝え方」が大切です。この本では「しあわせになるためには、どんな言葉をかけるべきか」、そして「どんな返答・対応をすべきか」など、具体例をあげて説明、ご自身のシチューションに近いものを探して参考にしていけます。「しあわせになる」「しあわせにする」ことを前提にコミュニケーションがくり広げられれば、交感神経と副交感神経のバランスがととのい、自律神経も「幸せな」状態をキープできます。これこそが本書が目指したことです。

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健康2023年夏号

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