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「オールイン 運命の愛」を久々に一気見。イ・ビョンホンの回し蹴りの美しさに浸る。1〜9話レビュー【韓国ドラマ】

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marumi

2003年に韓国SBSで放送され、日本では2004年に「オールイン 運命の愛」というタイトルでNHKで毎週末に放送されたテレビドラマ。イ・ビョンホンとソン・ヘギョの運命に心を震わせながら土曜日を心待ちにしたマチュア世代も多いことでしょう。全24話の大作を20年ぶりに一気見した感動を3回に分けてお届けします。この記事は1〜9話のレビューです。
※ネタバレにご注意ください

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ラスベガスのカジノで開かれるポーカー世界選手権、グランドキャニオン上空を舞い、断崖に着陸するヘリコプター、教会で結婚式を待つ花嫁、そして、銃撃戦で撃たれる男—- 冒頭10分の目まぐるしい映像は、誰しもの心を鷲掴みにする。

初見のときは、荒々しい展開の果ての悲劇を予感して不安な興奮状態になった。だが今回、20年ぶりの一気見では、その先に訪れる穏やかな愛の成就を確信しているからこそ、「いよいよ始まる」という期待感で心が静かに満たされた。

「俺はギャンブラーだ。人は“ポーカーで夢を実現した男”と呼ぶ。確かにポーカーで富と名声は手にした。だが、人生のすべてを賭けたギャンブルはまだ終わっていない」—— 冒頭の主人公の独白が、『オールイン』というドラマを貫くテーマだ。

実在するギャンブラーを題材に、カジノやギャンブルの世界を壮大なスケールでスリリングに描いた『オールイン』(2003年)。韓国ドラマではあまり扱われてこなかった知る人ぞ知る舞台で、とっつきにくい人もいたはず。にもかかわらず、最高視聴率47.7%をマーク。日本でも『冬のソナタ』『美しき日々』に続いてNHKで放送され、第1次韓国ドラマブームの一翼を担った。

70年代の韓国。イカサマ師の叔父に育てられたキム・イナ(イ・ビョンホン)は仲間とつるんで、ギャンブルとケンカの日々を送っていた。そんなとき、自分とは正反対の裕福な環境で育った同級生チェ・チョンウォン(チソン)と意気投合。また、チョンウォンの父が経営する映画館で、ミン・スヨン(ソン・ヘギョ)と運命の出会いをし、心魅かれていく。これが、この3人の数年に及ぶ波乱万丈のドラマの幕開けだ。

だが、ある事件をきっかけにイナとチョンウォンは殺人容疑で逮捕される。チョンウォンは父の根回しで無罪に、イナは懲役7年の刑に服すことになり、スヨンの前から忽然と姿を消す。

出所したイナは、修道院に身を寄せたはずのスヨンを探して済州島に。そこでカジノの保安要員の職にありついたイナの前にあらわれたのが、ディーラーとして働くスヨンだった。7年のブランクを取り戻すかのように、2人は束の間の幸せな時間を過ごす。一方、チョンウォンはカジノ経営の野心を抱いて留学先のアメリカから帰国し、3人は再会。運命が合流する。

ところが、イナはなじみの仲間の身を案じて引き受けた一度限りのイカサマ博打の罠にかかり、再び殺人事件の犯人として追われる身となり、アメリカへ密航。ここまでがドラマ序盤の1~9話だ。

『オールイン』が素晴らしいのは、イ・ビョンホンやソン・ヘギョがまだ登場しない、助走とも言うべき1~3話でさえも手抜きがないこと。青年期を演じた若い役者たちが、ドラマスタート時の、脱落しがちな視聴者の心を掴んで離さなかった。

たとえば、イ・ビョンホンの青年期を演じたチン・グ。不運な境遇に屈すことなく、世の中を見返そうとする深く鋭い眼差しが、イナそのもの。いまや『太陽の末裔』などにも出演したスター俳優だ。

ソン・ヘギョの少女期を演じたハン・ジミン。透明感が画面越しにあふれ出て、イナを一途に愛するスヨンに適役だ。この後、『イ・サン』『屋根部屋のプリンス』『知ってるワイフ』にも出演している。

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