私らしく生きる 50代からのマチュア世代に

人気記事ランキング 連載・特集

年金5万円でやりくりする紫苑さん・72歳。心地よい住まいのポイントは「布の使い方」にあった

公開日

更新日

池内かずこ

圧迫感のない空間をめざし、不要品を自分軸で処分&リユース

部屋づくりにあたって紫苑さんが心がけているのは
①「狭い空間をなるべく広く見せ、圧迫感を与えないこと」
②「フォーカルポイントを作ること」

フォーカルポイントとは、「空間の中で一番目を引く点」「最初に目にするところ」という意味です。

①については、それまで大切に保管していた服や本などをだんだんに手放してものを減らし、すっきりした空間を増やしていきました。

大型書棚を横向きに置き、着物や帯の収納に 

2階のベッドルームには、自然素材のかごバッグをディスプレイした、お気に入りのコーナーがあります。

「以前は、寝室に入るとすぐに高さ180㎝の大型書棚が目に入り、とても圧迫感がありました。この書棚も他の不要家具と一緒に地区のリサイクルセンターに引き取ってもらうつもりでいたら、高さのある家具は回収不可。そこで、背の高い書棚を寝かせて横向きに置き、手持ちのたんすの引き出しを入れたら、着物や帯の収納にピッタリ。ローチェスト兼飾り棚に生まれ変わったのです。圧迫感もなくなり、大好きなカゴバッグを並べた癒しのコーナーに。寝室のフォーカルポイントになりました」

この場所に来ると心が和み、押し入れの整理も苦ではなくなるといいます。

チェストの横には、観葉植物の鉢植えを置いて爽やかな雰囲気に。更紗の布で鉢をカバリングすることで統一感を出しています。100均のスノコにキャスターをつけた植木台を手作りして移動式にしてあるので、掃除もラクです。

観葉植物の鉢は、更紗の布でカバー。100均のスノコに、手持ちのキャスターをつけて移動式に。

「どこかに、自分のお気に入りの空間を作っておくと、他の場所もすっきりさせたいという意欲が湧いてくるんです。きれいはきれいを呼びよせるのですね」

ところで、紫苑さんの仕事柄、書棚には本や資料、書類などがぎっしり詰まっていたはずですが、それはどこへ?

「ほとんど処分しました。文庫本など場所をとらないものは残してありますが、それ以外は潔く処分。それより着物や帯のほうが大事だったから(笑)」

なんと潔いことでしょう。片付けやものの処分をするときには過去にとらわれず、そのとき自分にとって何が大切か、自分軸で見極めて決断することが大切なのですね。

お金をかけずに、住まいを使いやすく、おしゃれに変身させるリメイクのアイデアは尽きることがありません。

PICK UP 編集部ピックアップ