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夫の役職定年がもうすぐ。家のローンもあるのに、収入が段階的に下がる50代をどう切り抜ける?井戸美枝さんがアドバイス

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横田頼子

定年時に、最低でも住宅ローン残債と保有資産額を同額にしておこう

もう一つ、繰り上げ返済の計画をたてるとき、確認しておきたいのは、自宅を売却した場合の評価額です。同時に、定年までに貯められる貯蓄や自宅の価値などの「保有資産額」も試算してみてください。

住宅ローンの残債が多く、定年時にローンの残債が保有資産額を上回っている場合は、保有資産額の方が多い、または最低でも同じバランスにすることを目標にしましょう。今のままでは改善できない場合は、夫だけでなく、妻も働いて収入を増やしたり、ムダな出費を徹底して削るなど積極的な対策が必要です。

たとえば、「65歳まで働いて以降はのんびり過ごしたい」と考えているなら、65歳までに住宅ローンの返済が終わるように、定年後も夫婦で働いてしっかり貯蓄していき、65歳の時点で残債を一括返済できるように、貯蓄プランをたてるといいでしょう。

負債の軽減で、老後のリスクを減らす!

住宅ローンが残っていても、「70歳になってもバリバリ働くから、ローンは返せる」「生涯現役だから、心配ない」と考えている人もいるでしょう。

でも、病気や失業など、高齢になるほど予想外のアクシデントに見舞われる確率は高くなります。実際、共働きでローンを返してきたのに、突然夫にがんが見つかって休職せざるを得なくなり、どうすればいいかと相談に来られたご夫婦もいました。

傷病手当やがん保険などの保障はあっても、夫婦の収入で払ってきたローンを妻一人で返済するのは相当な重荷です。だからこそ、夫婦とも元気なうちにどんどん貯めて、ローンの完済を目ざしておくことが安心につながるのです。

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