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老後資金がいつのまにか減っていく理由は?今からできる備えを井戸美枝さんがアドバイス

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横田頼子

特別支出のムダをカットしておこう

特別支出のリストを見ながら、一つずつ、本当に必要かどうか、減らしてもいいような余地はないか、見直してみてください。

年払いの保険料

子育てが終われば、高額な死亡保障は必要ありません。定期付き終身保険など特約がついた保険は、将来、保険料が上がる場合もあるので、その保障が本当に必要かどうか、年金生活になっても保険料を払い続けられるかなど、しっかり検討してください。

そのうえで、不要な保険は思い切って解約を。医療保険など残しておきたいのであれば、保険料の確認を。保険料が高い場合は、50代のうちに割安な掛け捨ての保険にかけかえておきましょう。

車関連費(自動車税、自動車保険、車検代など)

自動車保険は、毎年更新時に、条件を見直すのが出費カットのポイント。

たとえば、10~20代の子どもが独立して運転しなくなれば、運転者の下限年齢が上がって保険料を軽減できます。退職で、運転目的が通勤から日常に変わったり、運転距離が減った場合も保険料を下げられます。

また、いまは通勤や子どもの送り迎えで車をフル活用していても、定年後は、買い物やたまの遠出ぐらいしか使わなくなる家庭もあるはず。夫婦で2台所有しているなら、定年後は1台にしてお互いに融通しながら使えば、維持費は半減します。また、夫婦二人になったらファミリーカーから軽自動車にかえても、維持費がカットできます。

さらに、交通の便がいい場所に住んでいるなら、思い切って手放すことも検討してみましょう。JA共済のデータによると、仮に諸費用を含めて250万円の車を購入して、12年乗ったとすると、1年間の車の維持費は普通車で約44万5000円。12年間では約534万円です。車両価格を含めると、総コストは約784万円(1年あたり約65万円)にもなります。

これだけのコストをかけても所有する必要があるのか、「あって当たり前」という思い込みはいったん捨てて、レンタカーやカーシェアリング、タクシーなど、自家用車以外でまかなえる方法を積極的に検討してみてください。

たとえば、ある大手レンタカー会社の利用料金は、一般的なコンパクトカーで6時間まで約8000円、12時間まで約9000円。カーシェアリングは、15分間使ってだいたい200~220円前後、2時間の利用なら1600~1800円ぐらいが相場です(2024年1月現在調べ)。

仮に、月1回の遠出はレンタカー、月5回の買い物はカーシェアリングを利用した場合、かかる費用の合計は月1万8000円(年間21万6000円)程度。車を購入した場合の年間コスト約65万円に比べて、43万円以上もダウンサイジングが可能です。

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