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老後資金がいつのまにか減っていく理由は?今からできる備えを井戸美枝さんがアドバイス

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横田頼子

交際費

特別支出の年間リストを作ってみて、「意外に交際費がかさんでいるなぁ」と感じた人も多いのではないでしょうか。

60代になると、定年で職場の歓送迎会や飲み会などは減りますが、逆に甥や姪の結婚式、親戚の葬儀などの冠婚葬祭ラッシュがやってきます。孫が生まれるとかわいくて、出産祝、節句のお祝、誕生日祝、入園・入学祝などについ使いすぎてしまう人もいるでしょう。

ダウンサイジングのコツは、必要な交際費はきちんと予算をとり、そうでないものには一線を引くことです。具体的には、次のような方法があります。

つきあいのルールを決める

義理だけのつきあいやストレスを感じる相手とのつきあいはほどほどにして、徐々に減らしていきましょう。断りづらい誘いは、「どんな飲み会でも、一次会できっぱり帰る」「忘年会と歓送迎会以外は出ない」など自分なりのルールを決めておくのがおすすめ。

周囲にも「健康のために、飲み会は一次会までと決めている」などと宣言しておくといいですね。ずるずるつきあって、出費をかさねずにすみます。

義理だけの年賀状はやめる

義理だけで出している年賀状は、やめていきましょう。私も500枚ほど書いていた義理の年賀状をやめましたが、それで仕事が減るといったデメリットは何もありませんでした。結局、相手も義理で受けとっていたのです。毎年5万円ほどかかっていた印刷代やハガキ代がいらなくなり、向こう30年で考えると、ずいぶん節約になりました。

冠婚葬祭費もルール化する

かわいがっていた姪が結婚したから、お世話になったおじさんが亡くなったから……などと、そのときの感情にまかせて金額を決めていくと、次のときに、「前はこれくらい出したのに、今回出さないわけには……」と苦しくなってしまいます。

親戚づきあいの冠婚葬祭費はゼロにはできないので、ルール化するのがいちばん。葬儀はいくら、結婚や出産祝はいくら、と金額を一律で決め、出す予定の人も数えて、貯蓄から予算を確保しておくといいでしょう。冠婚葬祭費は重なるときは重なるので、「いつでも出せるお金」の用意があると、貯蓄がどんどん減る不安に悩まされずにすみます。

家族間の交際費はシンプルにしていく

家族の誕生日や記念日の食事会、クリスマスやバレンタインデーのプレゼントなどは、こだわりすぎると出費が膨らむ一方。少しずつ減らしていって、老後は生活をシンプルにしましょう。お祝いしたいなら、高価なプレゼントや会食などはやめて、手作りの食事やふるさと納税などを使ったプチ贅沢で楽しむ方法もあります。孫のお祝も、いくらまでとルールを決めてムリは禁物です。

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