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海原純子さんが日々心がけていること。「昔から引き受けすぎちゃう傾向があるので、無理なときはちゃんと断るようにしています」

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ゆうゆう編集部

モノ、習慣、人間関係、不安や不満……何でもかんでも抱え込んで、身動きがとれなくなっていませんか。そんなときは思いきってやめたり、手放したりすると心が軽くなり、生きるのがぐっと楽に! 海原純子さんに、手放すコツやヒントを伺いました。

対面を減らしたら 仕事が楽になった!

「私はどちらかというと捨てない人間なんです」と海原純子さん。以前、引っ越しをした際、本を大量に捨てて後悔した経験があるからだ。

「自分のものがなくなってしまったような感じがして……。それ以来、捨てるということに対して気をつけるようになりました。洋服も30年くらい前のものをいまだに着ているし。あまり捨てないから買いすぎることがなく、モノも増えません」

自分にとって大事なものは捨てない。でも、いらないものはちゃんと手放す。それが海原流。

「私は昔から引き受けすぎちゃう傾向があるので、無理なときはちゃんと断ることを心がけてきました。相手からの評価を求めることもやめて、心も軽く。もともと人づき合いがよいほうではないので、コロナ禍でも大きな変化はありません。仕事でも人と会う機会が減りましたが、オンラインだと対面よりもリラックスできるようで、面談もスムーズに。大学の会議も全部オンラインになったことで全員が参加できるようになり、時間も対面より短くなって、よかったです」

やめて楽にする「先読み思考とレッテル貼り」

自分が人からどう思われているかを気にしすぎたり、人づき合いで気が滅入ってしまったり。「そういう人は『先読み思考』や『レッテル貼り』といった考え方のクセがあるかもしれません。どちらもうつの原因になりうる考えグセです」。手遅れになる前に手放したい!

視野や可能性を狭める悪い考えグセに注意

「先読み思考」は先の先まで考えすぎて落ち込むタイプ。たとえばメールを送って返事が来ないと、「私を嫌いなんだろうか」「嫌われたらどうしよう」と不安に。そういう場合は一度立ち止まり、その他の可能性を考えてみること。メールがちゃんと届いていない、ネット回線が不安定、相手が忙しい……いろいろ考えられます。

「レッテル貼り」は自分や相手にレッテルを貼ってしまうこと。一度「嫌な人」とレッテルを貼ると嫌なところばかりを探すようになるし、「私はダメな人」とレッテルを貼ると自己肯定感が下がります。

どちらのクセもうつの原因になりうるので、気づいたら修正を。

やめて楽にする「引き受けすぎること」

体調が優れなかったり、気分が乗らなかったりしても「家事はちゃんとやらなくちゃ」。そうした義務感や思い込みも手放したほうがいい、と海原さん。「できることとできない ことをしっかり分けて、相手に伝えること。引き受けすぎないことが大事」

具体的な情報として伝えることが大事

たとえば家事を頼みたいとき、「私はつらいのに、何でやってくれないの」と感情的になるのではなく、「寝ているだけでもおなかが痛い状態だから、これをやってほしい」と情報として伝えること。そのうえで「掃除はできないけれど食器は洗えます」「買い物には行けないけれど、買ってきてくれたら調理はできます」など、具体的に伝えることです。特に男性は想像力が足りないので、情報提供を大切に。

やめて楽にする「相手からの評価を期待すること」

人からよく思われたい、評価されたい。 自分らしく生きたいと思いながらも、つい人の目が気になってしまいがち。「私も 昔はそうでしたが、50歳を過ぎてからは、相手からの評価を求めて自分がよく思われるように何かしようとするのをやめました」

どう思われたって 自分は自分

「評価を気にしていたら、医者やりながら歌なんか歌えません(笑)」

引き受けすぎたり、きっぱり断れなかったりするのは、相手にどう思われるかを気にしているから。でも人ってたいてい、何をやってもそんなによく思ってくれはいないもの(笑)。だから相手に評価してもらおうと期待するのはバカバカしい。そんな努力をするよりも、自分で納得する仕事をしたり、充実した時間をつくることのほうが重要。私は「どうにでも思ってください」という気持ちでいます。

profile
海原純子
うみはら・じゅんこ●医師、ジャズシンガー
東京慈恵会医科大学卒業。医学博士、心療内科医、産業医。昭和女子大学客員教授。ジャズシンガーとしても活動し、昨秋には2枚組のアルバム『Then and Now』をリリース。近著に『こころの見方 いい気分を貯めて暮らしたい』(毎日新聞出版)など。

こころの見方 いい気分を貯めて暮らしたい

海原純子 著
毎日新聞出版刊

見方を変えると人生は変わる!
気持ちが落ち込んだときに回復するには――
心療内科医が教える、毎日を〈いい感じ〉ですごす50のヒント。

※この記事は「ゆうゆう」2022年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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