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【大奥2話】男女逆転の謎が描かれる。修羅になる斉藤由貴の怖さ。目から光が失われていく福士蒼汰の悲しさ

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田幸和歌子

江戸時代の男女逆転の世界が描かれる、NHKドラマ10「大奥」。奇想天外なエンターテイメントに、毎週ひきこまれていく人も多いことでしょう。数多くのドラマレビューを執筆するライター田幸和歌子さんに、NHK版「大奥」について語っていただきます。
(ネタバレにご注意ください)

よしながふみ原作漫画×森下佳子脚本によるNHKドラマ『大奥』の第2話が1月17日に放送された。

江戸幕府3代将軍・家光の時代、若い男性だけが感染する奇病で、死に至る恐ろしい病の「赤面疱瘡」が流行したことで、男性が女性の1/4まで減少。男性は希少な「種馬」として育てられ、女性が労働の担い手となり、社会構造が激変。江戸城でも家光以降、将軍職が女子へと引き継がれ、大奥は将軍の威光の証として希少な男子を囲い、美男3千人と称される男の世界が築かれていくという物語。

原作に比べて「幼馴染のピュアな恋愛」要素が色濃かった第1話から時代が遡り、第2話では「男女逆転大奥」の謎が描かれる。それはあまりに残酷で、悲しい物語だった。

村瀬正資(石橋蓮司)のもとに突如、徳川吉宗(冨永愛)が現れ、正資が大奥のなりたちからすべてを記した日記を見せて欲しいと言う。

表紙にあったのは「没日録」の文字。命名したのは大奥を作った人、家光の乳母・春日局(斎藤由貴)だ。実は家光は父・家光の身代わりとして最初に男名を与えられた女の将軍だったという。

事の発端は、寛永9年、家光が流行りの赤面疱瘡を患い、亡くなってしまったこと。春日局は実の息子・稲葉正勝(眞島秀和)の目の前で医師を殺害、家光が亡くなったことを隠し通す。

それから6年後、慶光院院主の美しき僧・万里小路有功(福士蒼汰)は、江戸城を訪れる。しかし、春日局から江戸にとどまり、還俗してほしいと言われ、断ろうとすると、弟子を斬り殺され、無理やり還俗させられ、大奥に仕えることに。

そこで有功が出会った将軍・家光(堀田真由)は、なんと少女だった。家光は有功の名を尋ね、「お万」と名乗るように言い、有功が意見すると、扇子で激しく打ち叩く。感情的で子どもっぽい堀田真由の怒りのぶつけ方が、逆に痛々しい。

その背景には、春日局の企てにより、自らが犠牲になった悲しさがあった。家光が亡くなった後、徳川が赤面疱瘡でやられたと知れ渡ったら戦乱の世に逆戻りすると考えた春日局は、徳川家に男子がいないため、正勝を死んだことにして頭巾をかぶらせ、家光のフリをさせて、家光の側室の子(堀田)に男児を産ませようとしたのだ。

家光を演じる堀田真由は、華奢で愛らしく、男装があまり似合っていない。しかし、家光が徳川家の子を産む道具にされ、「この世にいてはならぬ方」として隠され、万が一見られたときに怪しまれぬよう、御小姓のフリを嫌々させられていた事情を知ると、納得である。

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