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【舞いあがれ!】繊細な貴司が、日常生活の中から発見した温かい短歌をできれば見てみたかった

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田幸和歌子

しかし、と同時に、子どもを風呂に入れ、髪にドライヤーをかけてあげるという3人の親子の日々、舞と歩と過ごす陽だまりのような温かさの中からしか生まれない歌もあったのではないか。人間の子だけでなく、ペットも含めて、自分の思い通りにはならない生きものと向き合い、試行錯誤を繰り返しつつ、共に育つ日々の中の「発見」は非常に多い。

誰よりも周りに気を遣う、優しくて繊細な貴司が、そうした日常生活の中から発見した温かい短歌をできれば見てみたかったところだが、リュー北條(川島潤哉)はそれを提案しなかったのだろうか。むしろそうした提案が貴司を追い詰めると考えたのだろうか。

一方、パリに発つ貴司のかわりに「デラシネ」の店番を申し出た祥子だが、東大阪に越してから家に閉じこもりきりで、リハビリをちゃんと受けさせてもらっている様子は見えない。せめて日常生活自体がリハビリとなるよう、麻痺があっても、できる範囲で家事育児の手伝いやデラシネの店番を頼んだら良いのに……と思っていたら、1年の時を経てようやく祥子に「仕事」ができたわけだ。

24週で本を読んだりジャム作りをしたりする中で、祥子の目に輝きが戻ってきていたが、そこでめぐみも舞も「祥子はもう安心」と思ってしまったのか。

かくして貴司はパリに行き、舞は心置きなく「空飛ぶクルマ」に向き合える状態になり、残る放送は1週間。紆余曲折を経て舞が、家族が、仲間たちが、いかに舞いあがるかをしっかり見届けたい。

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