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池松壮亮さんの魅力的な素顔。「俳優として最も大事なことは人間力だと思います」

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ゆうゆう編集部

映画を通し、世界と対話していく

活躍は日本だけにとどまらず、2021年には、韓国人スタッフ&キャストと撮った映画『アジアの天使』で主演。3月には、主役を務めた話題作、『シン・仮面ライダー』が公開されたばかりだ。

国という境も、作品のジャンルも自在に超え、池松さんは今、自由に、着実に歩みを進めている。

「今はずっと現場が続いているので、時間が空いたら映画を見あさりたいし、本も読みあさりたい。新作は映画館に行きますが、配信もDVDも見ますよ。映画は、仕事というか趣味みたいなもの。まだまだ知りたいことや追求したいことがたくさんあります」

映画は「人生をうつすもの。人が集まって人生が交差するものだ」と言う。映画というのは、「世界共通言語」だと信じているとも言う。

「どうやったら人と人がつながりを保ち、この時代の混乱と暗闇から抜け出して生き残ることを選んでいけるのか。そのために映画にできることは何なのか。今、世界で起きているさまざまな問題を内包しながら、エンタメも、芸術もやっていかなくては……。だって映画は人がつくって、人に届けているものだから。50年後100年後にも耐えられる、普遍的作品であるべきだと思います」

映画の話になると止まらない。映画が心底好きだということが、ひしひしと伝わってくる。今、32歳。「俳優にとって、年齢は武器だと思います」と、きっぱり言いきる。

「映画の現場には何十人もの人が集まる。人生が集まる。客席にも人生が集まる。映画はみんなでつくる集団芸術なんです。ですから僕がいいお芝居をして自己満足していても、映画の出来が飛躍的によくなるとは限らない。それでも俳優として、ものづくりの責任をとっていかなければと思います。世界と対話し、何を信じて何に感動して物語にしたのかということを自覚して伝えていきたい。伝えるということがいわば回ることなんだと思います。シンプルなことですが、大事なことを伝えていくことが、映画や物語を持続可能なものに戻すために必要なことだと思っています」

profile
池松壮亮
いけまつ・そうすけ●俳優

1990年福岡県生まれ。2003年『ラスト サムライ』で映画デビュー。近年では映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『斬、』『宮本から君へ』『アジアの天使』『ちょっと思い出しただけ』などで主演を務めた。中国映画『1921』『柳川』など海外にも活躍の場を広げている。主演を務めた映画『シン・仮面ライダー』が現在公開中。待機作に2023年10月6日公開予定の映画『白鍵と黒鍵の間に』がある。

INFORMATION

『せかいのおきく』
貧しい時代、人のぬくもりと命の巡りを描いた青春時代劇

貧乏長屋で父と二人で暮らす武家育ちのおきく(黒木華)、糞尿を売り買いする汚穢屋の中次(寛一郎)と矢亮(池松壮亮)。おきくと中次はいつしか思い合うようになるが、おきくの父は殺され、おきくも、喉を切られ声を失ってしまう。お金もモノもないけれど、人とつながることをおそれずに、前を向く3人の姿が胸に迫る。

脚本・監督:阪本順治
出演:黒木 華、寛一郎、池松壮亮、眞木蔵人、佐藤浩市、石橋蓮司 他
4月28日全国公開
配給:東京テアトル/リトルモア/U-NEXT
http://sekainookiku.jp
©️2023 FANTASIA




※この記事は「ゆうゆう」2023年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

撮影/杉江拓哉(TRON management) ヘア&メイク/ネモト(ヒトメ) 取材・文/五十嵐佳子

ゆうゆう2023年05月号

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